1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

論理的ではなく「非連続的な思考」がもたらす成果 リスクもコストもほぼゼロで成果を出す方法

東洋経済オンライン / 2024年9月4日 13時0分

私の著書でも主題にしている「クリエイティブジャンプ」とは、リソースが限られている中で、論理的な思考ではなく、非連続的な思考によって、非連続な成果をもたらすことを指します。

私自身の体験をお話ししますと、北海道富良野市でペンション経営を開始した際は、とにかく他の施設と比べて見劣りしないようにすることでお客様の滞在満足度をあげようと考えていました。

富良野といえばメロンが有名なので、朝食でメロンを提供したり、オリジナルのスイーツを開発したりしたのですが、どれもうまく刺さりません。でも、いろいろと思考錯誤しながらやってみるうちに、夜に無料でお酒を楽しめるフリーフローサービスを始めたところ、お客様同士のコミュニケーションが生まれ、滞在満足度が大幅に上がるようになったのです。

同じシーズンに2度リピートしてくれるお客様や、海外からリピートしてくれるお客様も現れました。

それまでは「良いサービス」を提供しようとずっと試行錯誤していたのですが、お客様が求めていたのは旅先のポジティブな予定不調和だったのだ、と気付かされた体験でした。この、フリーフローサービスを始めたことが、ささやかながらも私たちにとっての最初のクリエイティブジャンプだった、といえます。

その後、京都、大阪とホテルを開業していく中でも、ホテル市場の厳しい顧客獲得競争に晒され疲弊してしまった時期がありました。

そこで、とにかく毎日のようにツイッター(現エックス)にかじりつき、どういうコンテンツが求められているのか、お客様の消費行動がどのように成り立っているのかをチェックし続けました。

その時の学びをもとに、大阪でホテルを開業するにあたっては、「大阪の空気感を表象していること」、「お客様にとって当ホテルに泊まる意味になるような体験があること」、「それが人に伝えたくなる要素にもなっていること」という3点をすべて兼ね備える存在として、全客室にレコードプレーヤーを置くということにチャレンジしました。

その結果、ありがたいことに、多くの方に指名買いでホテルを予約していただけるようになったのですが、こういったことが、自分にとってのクリエイティブジャンプを実感した出来事ですね。

ちょっと突拍子もないことを提案する

ステークホルダーの多いプロジェクトに携わる際に突拍子もないことを提案するというのは、緊張することもあります。

石川県金沢市で運営しているホテル「香林居」は、エントランスに精油の蒸溜設備があります。通常、ホテルに大型の蒸溜機が置いてあることはまずありません。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください