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「コメが消えた夏」日本人が代わりに爆買いした物 データでわかった「令和の米騒動」の実態

東洋経済オンライン / 2024年9月4日 8時0分

店頭での品薄状況の指標として、販売された商品数の前年比推移をみると、6月までは前年並みを維持していたが7月に入ってからじわじわ減少している。前年に猛暑で作柄のよいコメの供給が減少したことや、訪日客の増加を受け外食需要が拡大したことなどにより、需給逼迫の兆候がみられていたようだ。さらに、8月5日週には94.3%、12日週には85.7%、19日週は77.2%と急降下し、品薄が顕在化してきている。

コメはパックご飯などの保存食品と比べて賞味期限が限られることから、過去の災害では備蓄用の需要はそれほど伸びていなかった。今回前年と比べておよそ1.8倍にまで伸長していることから、パニック買いの影響は大きかったと言えそうだ。

パックご飯の販売金額が前年比約2倍に伸長

コメの代替品として、販売が伸びた商品はあったのだろうか。主食の種類別に販売金額の前年比を確認した。

パックご飯の販売金額は7月29日週までも前年をやや上回る水準で推移していたが、値上がりの影響によるもので販売数量はほぼ前年並みで推移していた。

販売金額が急伸したのは南海トラフ地震の臨時情報が発表された8月5日週だ。前年比139.8%と伸長し、翌週の8月12日週には147.6%に。その勢いは止まらず8月19日週は194.8%と前年の約2倍になった。コメの代替需要だけではなく、8月12日週には大型台風が関東などに接近したことで備蓄需要もいっそう高まったのだろう。

買いにくくなったコメの代替として売れたもの

コメの品薄が加速した8月12日週の前年比では、賞味期限が限られ備蓄しにくい食パンは伸び悩んだものの、そうめんやうどんといった乾麺132.4%、スパゲティ110.4%などは伸びがみられた。乾麺がとりわけ伸びたのは、夏場のそうめん需要を取り込んだためだ。伸びの要因としては、備蓄需要に加えて、買いにくくなったコメの代替需要も拡大していることが挙げられる。

南海トラフ地震の臨時情報が出されたことで加速しているコメの品薄。コメの代替としてパックご飯や麺類などの販売が伸びていることがわかった。臨時情報は1週間後には解除されたものの、台風や地震といった災害が続き備蓄用の需要は高止まりしている。

新米の季節にはコメの品薄解消が期待される。品薄により上昇した米の価格が落ち着いていくかも注目したい。

木地 利光:市場アナリスト

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