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中国シャオミが初公開「EV事業」の業績の見どころ 先発勢を上回る粗利益率、黒字化にはまだ時間

東洋経済オンライン / 2024年9月5日 13時30分

シャオミのEV事業の第1号モデル「SU7」は、先発メーカーを上回る粗利益率を確保した(写真は同社ウェブサイトより)

中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は8月21日、2024年4~6月期の決算を発表。その中で、新規参入したEV(電気自動車)事業の業績を初めて開示した。

【写真】シャオミが7月に発売した折り畳み式ハイエンドスマホ「MIX Fold 4」

シャオミは自社開発したスマートEVの第1号モデル「SU7」の納車を4月に開始し、6月末までに2万7300台を販売した。決算報告書によれば、EV事業が大部分を占める「新規事業」セグメントの4~6月期の売上高は63億6900万元(約1305億円)と、総売上高の7.2%を稼ぎ出した。また、同セグメントの調整後純損益は18億元(約369億円)の赤字だった。

2024年の販売目標12万台

注目を集めたのは、新規事業セグメントの4~6月期の粗利益率が15.4%と予想を超える高さだったことだ。EVは大量に搭載する電池のコストがかさむ一方、中国市場ではEVの価格競争が激しい。そのため、多くのメーカーが十分な粗利益率を確保できていないのが実態だ。

例えば、先発の新興EVメーカーである小鵬汽車(シャオペン)の粗利益率は14%(4~6月期)、蔚来汽車(NIO)は同9.2%(1~3月期)にすぎない。シャオミの粗利益率を上回っているのは、理想汽車(リ・オート)の20.6%(1~3月期)とテスラの18.5%(4~6月期)くらいだ。

とはいえシャオミのEV事業の黒字化には、まだ時間がかかりそうだ。同社は2024年の販売目標を12万台としている。しかし光大証券のレポートによれば、シャオミのEV事業が損益分岐点を超えるには年間販売台数が30万~40万台以上に達するとともに、約15%の粗利益率を確保する必要があるという。

SU7の販売好調が追い風となり、シャオミの4~6月期の総売上高は888億8800万元(約1兆8217億円)と前年同期比32%増加。また、調整後純利益は61億7500万元(約1266億円)と同20.1%増加し、大幅な増収増益を達成した。

ブルームバーグのレポートによれば、4~6月期の業績に関するアナリスト予想の平均値は売上高が869億元(約1兆7810億円)、調整後純利益が50億7000万元(1039億円)だったが、実績はそろって予想を凌駕した。

(訳注:4~6月期の好決算を受け、香港証券取引所に上場するシャオミの株価は決算発表翌日の8月22日に急騰。同日の終値は19.1香港ドル[約358円]と前日比9%上昇した)

スマホ事業も好調を維持

EV事業以外の業績に目を移すと、総売上高の5割超を占めるスマートフォン事業の4~6月期の売上高は465億1600万元(9533億円)と前年同期比27.1%増加。グローバル販売台数(出荷ベース)は4220万台と同28.1%増加し、2023年後半からの好調を維持している。

気がかりなのは、スマホ事業の利益率がじりじり縮小していることだ。同事業の4~6月期の粗利益率は12.1%と、1~3月期より2.7ポイント低下。2023年7~9月期に記録した過去最高の16.6%から、3四半期連続で低下した。

その要因についてシャオミは、中国市場での価格競争の激化や、(半導体などの)コア部品の調達価格の値上がりなどを挙げた。

(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は8月21日

財新 Biz&Tech

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