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ペアリングの妙を知って楽しむコスパ抜群ワイン ソムリエ・田邉公一に聞いた失敗しない選び方

東洋経済オンライン / 2024年9月8日 9時0分

コスパのいいワインという視点で、予算別にワインをおすすめするとすれば……まずは、ポルトガルの「アロ」。1000円台でありながら、果実味と酸味、ミネラル感が渾然一体となっている。ポルトガルの白ワイン産地の中でも、屈指の実力を誇る生産者が手掛けていて、青リンゴや白い花のアロマティックな香りも魅力だ。

3000円台では、南アフリカの「ポールクルーバー エステート シャルドネ」。バランス感あふれるクリーミーな味わいで、黄リンゴやピーチ、トースト等のアロマも豊か。

同じく、フランス・ボルドーの「エスプリ・ド・パヴィ」は、サン・テミリオンのトップシャトーのパヴィが手掛けるサードワイン。ブルーベリーのような熟した果実味があり、サン・テミリオンらしい包み込むようなふくよかさも感じられる。

5000円台ならば、オーストラリアの「グロセット アーリア リースリング」は、オーストラリア屈指のリースリングとして人気で、引き締まった凝縮したミネラル感が感じられ、伸びやかで美しい酸味が余韻まで続いていく。

7000円台では、南アフリカの「リチャード・カーショウ エルギン シャルドネクローナル・セレクション」。南アフリカ最高峰のシャルドネともいわれ、まろやかで豊潤な果実味、トーストやバターのようなフレーヴァーも感じられる。

和食によく合うワインも

1万円台は、シャンパンで固めたい。まずは「テタンジェ プレスティージュ ロゼ」。シャンパーニュの貴婦人と称され、フルーティーでさわやか、エレガントな味わいだ。同じシャンパーニュの「ボランジェ・スペシャル・キュヴェ・ブリュット」は、きめの細かい上質な泡で、こくと繊細さが融合した味わいがある。「ドゥラモット・ブリュット・ブラン・ド・ブラン」は、フローラルな香りとシルクのようなテクスチャーで、和食にもよく合う。

これからの季節に楽しみたいワインとなると……甘いスパイス感のあるピノ・ノワールと、きのこグラタン、きのこの串焼き。甲州ブドウの果皮や種からの色素やタンニンがきれいに抽出された「シャトー・メルシャン笛吹甲州グリ・ド・グリ」と、ぎんなん焼きや豚の角煮。

寒暖差が生んだ豊かな酸味と風味が特長の「シャトー勝沼 鳥居平ブラン キュヴェ ヒデカ」と、さんまの塩焼き。日本の秋の夜長にこそ味わいたいペアリングだ。

世界中で造られているワイン、料理との組み合わせも無限

僕が、ソムリエになったきっかけは「自分が本当にやりたい仕事をしたい」と、大学を出て就職をせずにアルバイトを続けた後、神戸の老舗フランス料理店で働き始めたこと。そこには郷土料理とワインの組み合わせでマリアージュを楽しむという、当時の日本にはまだなかった世界観があって感動した。

その土地の食文化と密接に関係するワインは、今や世界中で造られていて、料理との組み合わせも無限にある。

僕は飲食業界に身を置くものとして、必然的にソムリエの資格を目指すことになったが、飲食業界の人にかかわらず、ワインの仕事に関わっていない方でも資格を取りたいという方が年々増えてきた。こんなに熱心に勉強したいという魅力のある飲み物は、ワイン以外にほかにないのではないか。

加藤 光彦:ライター

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