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零細企業が駐車場事業で大手参入を退けた理由 資本金5万円で創業のakippaは楽天にどう対抗したか

東洋経済オンライン / 2024年9月8日 11時0分

駐車場シェアリングサービス「アキッパ」。なぜ楽天やリクルート、ソフトバンク、ドコモなど大手テックカンパニーの参入にも打ち勝てたのでしょうか(写真:akippa提供)

 たった1人ではじめた零細企業から会員登録数400万人のITサービスを運営するテックカンパニーへと成長した注目の国内スタートアップがある。駐車場シェアリングサービス「アキッパ」は、なぜ楽天やリクルート、ソフトバンク、ドコモなど大手テックカンパニーの参入にも打ち勝てたのか。創業者である金谷元気氏が解説する。

※本稿は、金谷元気著『番狂わせの起業法』の一部を再編集したものです。

零細企業が大手テックカンパニーのライバルに

私、金谷元気は現在、akippa株式会社(以下、akippa社)の創業者兼代表取締役社長CEOを務めています。

創業は2009年。当時、24歳でした。

アキッパは、使っていない個人宅の駐車場や、契約のない月極駐車場の車室をアキッパのプラットフォームにまず登録していただきます。それを、駐車場を借りたいユーザが15分〜1日単位で、アプリやWebで予約して利用できる駐車場シェアリングサービスです。

2024年現在、貸主を除く累計会員登録数(以下、会員登録数)は400万人を超えています。

5万円の資本金を元手にたったひとりで大阪のワンルームマンションから始めた零細企業でしたが、試行錯誤しながら事業をここまで発展させてきました。 

アキッパをスタートさせた際、「サービスを伸ばしていくと、いつか大手テックカンパニーが参入してくる」と、そんな話をしていました。

アキッパの事業が成長軌道に乗り始めた2016年から2018年にかけて、大手テックカンパニーが、こぞって駐車場シェアリングサービスに参入してきました。

参入してきたのは楽天グループ、リクルートグループ、ソフトバンクグループ、ドコモグループ、光通信グループ。これだけの規模の会社が、それも一気に何社も入ってくるとは……。

かつて私たちは光通信系の会社を経由してインターネット回線の営業代理店をやっていて、ソフトバンクの携帯電話をたくさん売っていました。

「ソフトバンクの携帯電話を売っていたら、一生ソフトバンクを超えられない」

そう思い、自社サービスを始めたという経緯があります。そのソフトバンクが、私たちがつくっている市場に入ってきた……。私はすごく興奮して、当時「note」に「ソフトバンクがライバルになった日」というタイトルで文章を書いています。

昨日、新たにソフトバンクさんが参入を発表した。

(略)

1人ワンルームのマンションでソフトバンクさんの商品を売ってた会社が、ソフトバンクさんのライバルになることができる。これは感慨深いものがある。

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