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「成功した親」の子の将来が"むしろ危ない"のワケ 「AIに左右されない仕事が強い」に隠された盲点

東洋経済オンライン / 2024年9月11日 17時0分

逆に、評価が低ければ、自分が「よさそう」と思っていてもためらってしまう。それによって、本来だったら自分にとってはすごくよかったかもしれない店との出会いの機会を喪失する。

誰かを接待するときなど、「ここにしよう」と決めていた店の評価が低いと、予約する勇気がなくなる。誰かに接待されたときに、その店の評価が低いと複雑な気持ちになる。

しかし、隠れた名店というのも間違いなくあります。

このように、スコア化のマイナス要素はいくらでも出てきます。

とはいえ、私はこうしたサイトを否定するつもりは毛頭ありません。これからの時代、AIと組んだスコア化がどんどん進むのは止めようがありません。そうしたものは、大いに利用したらいいでしょう。利用できなければ、落ちこぼれてしまいます。

ただ、そのときに「利用しているか、利用されているか」という検証は必要です。

すでにAIは、人々が考えている以上に深く、私たちの生活に入り込んできています。AIとはうまく付き合わないといけません。抵抗している時間があったら、いち早くAIの使い方をマスターしましょう。大事なのは、AIに淘汰される側ではなく、AIを使える側に入ることです。

1%の人が99%を支配する時代

データ処理能力では、人間はAIにはかないません。だから、AIが得意な分野にしがみついていれば、潰される人間が次々と出てきます。

逆に、人間を遥かに超えた処理能力を持つAIを徹底的に使いこなせる立場になれば、その人はこれまでの何百倍もの成果を出せます。しかしもちろん、そういう人はほんの一握りです。

ということは、これからのビジネス界では、1%の人が99%の人を支配するようになるわけです。しかも、1%の人が扱う額が莫大になるので、その格差はどこまでも拡大します。

そういう時代が、「やがて」来るのではなく、「すぐ」来ます。

新しい時代には、なにか才能のある人間はどんどん稼げるし、なにも才能がなければどんどん落ちていきます。そして、新しい時代に求められる「才能」は、親世代であるみなさんが共有していたものとは違い、実に多様化しています。

だから、「今、成功している親」ほど危険だともいえるのです。

特性を伸ばすことで強みに

一方で、多様化しているがゆえに、希望もあります。

以前のように、いろいろな科目で優秀な成績を収め、東大や医学部に進学できる人間だけに才能が見いだせるわけではありません。理科だけが得意だったり、絵が上手だったり、討論に強かったり、あるいは性格がいいというのも才能になりえます。

そうした特性のうち、明らかに突出したものがあるなら、それをとことん伸ばしてあげれば1%のすごくできる人になるでしょう。

それが見当たらない場合は、いくつか伸ばせそうなところを掛け合わせていくことで、その子だけの強みにしていくことが可能です。99%の中にあっても、豊かに暮らしていくことができるでしょう。

これからの親は、わが子に対して、それを絶対にやらなければなりません。凡庸な子どもを凡庸なままにしておかず、その凡庸さの中からマネタイズできる要素を探し出し、掛け合わせて、生き残れる道を創出してあげましょう。上司と部下も同様です。

富永 雄輔:進学塾VAMOS(バモス)代表

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