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高市氏「ネット人気断トツ」も総裁選で苦戦の理由 保守派分裂・伸びない女性支持に"付き合い下手"も

東洋経済オンライン / 2024年9月12日 8時0分

一方、これまで続けてきた靖国参拝については、「公務死された方々に尊崇の念をもって感謝の誠を捧げるのは普通のこと。国策に殉じ、自分たちの祖国を守ろうとされた方々に敬意を表し続けることは希望するところだ」と首相になっても参拝する意向を強くにじませたものの、時期や回数など具体的対応については明言を避けた。

選択的夫婦別姓では「(他候補は)正しい知識を」と反論

また、候補者間で意見が対立している「選択的夫婦別姓」への取り組みについては、「選択的夫婦別氏(別姓)制度を実現すると言った候補予定者の中に『不動産登記ができない』との答えがあったが、今年の4月から旧氏でできるようになっているので、正しく皆さまに知識を持ってもらいたい」などと厳しい言葉で反論した。

さらに、野党などが求める消費税減税については「今すぐ引き下げることは考えていない。今後、本当に私たちの生存に必要なものが手に入らないような状況が来た時に、弾力的な運用というのはあり得るが、今の経済状況を見る限りは考えていない」と応答。小泉氏らが主張する解雇規制の見直しについては、「見直しには反対だ。日本の解雇規制がきつすぎるかといったら、そうではない」と明確に否定した。

党内論議が続いてきた「非核三原則」の扱いについては「核不拡散条約を日本は批准しているので、『持たず、作らず』、これは守らなければいけない。ただ、アメリカの拡大抑止の下にあるのであれば、『持ち込ませず』という部分についてはどう考えるのか、これはしっかりと議論しなければいけない」と見直し論議の必要性を主張した。

そこで永田町関係者が注目するのは、「高市氏の出馬が総裁選の流れを変えるのかという点」(自民長老)だ。自民党内でも「保守派の星」と呼ばれてきた高市氏だけに、全国各地で開催してきた講演会には、「いわゆる『岩盤保守層』を軸とした保守派の党員などが押しかけ、盛り上がっている」(政治ジャーナリスト)のは間違いなく、「その点では『台風の目』になっている」(同)とされる。

ただ、9人という過去最多の候補者乱立の結果、今後の論戦も「その場限りの総花的な内容になり、高市氏独自の主張が目立たないまま、『国民的人気』最優先の選挙戦になる」(政治ジャーナリスト)との見方が広がる。有識者の間では「総理総裁の資質は『国家観』と『国家像』」として「『わが国の針路をどうするか』というビジョンを明確に示しているのは高市、石破、河野の3氏で、高市氏には『女性初の宰相』という期待もある」との声もあるが、現状では厳しい戦いを余儀なくされそうだ。

注目度が低かった“しんがり出馬”?の上川氏

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