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「新築住宅購入」注意したい"ゆでガエルのワナ" 住宅市場「日本は新築文化」と言われてきたが…

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 9時30分

新築住宅の建設は変わらず続いていますが、これまでの「新築神話」はこれからの社会でも通用するでしょうか?(写真:haku / PIXTA)

私たちは今、既存の体制や価値観が崩壊し、新たな体制へと移行する歴史的な大転換期のまっただ中にいます。いったんリセットされて新しい社会へーー。そのように社会が激変する、いわゆる「グレートリセット」がすぐそこまで迫っているためです。不動産市場、金融システム、そして社会がどう変化していくのかについて考察した、不動産コンサルタントでさくら事務所会長・長嶋修氏による新著『グレートリセット後の世界をどう生きるか: 激変する金融、不動産市場』より一部を抜粋、再編集し、3回にわたってお届けします。初回の本記事では住宅の「新築神話の終焉」について考えます。

時代遅れの新築優遇策

住宅市場において「日本は新築文化だ」などと言われ続けてきました。

【グラフ】新しく建てられる住宅の着工戸数は増えておらず、今後さらなる減少も予想される

しかしそれは「文化」というようなものではなく「新築をたくさん造り、税制優遇などで買いやすくする国策があったから」そう見えていただけ。昨今の新築マンションのように供給が細ると、おのずと中古市場が活況を呈するわけです。

新築優遇策は、かつて戦後の高度経済成長期の圧倒的に住宅が足りない時代に、庶民の住宅ニーズを満たすためにできた政策の名残です。

当時は田舎に仕事がなく、実家を継がない次男坊以下は東京をはじめとする大都市部に出て仕事を求め、都市近郊に住宅を求めるという行動様式が主流でした。また、そもそも人口増加局面であったため住宅の絶対量が足りなかったという事情があったからです。

この新築優遇策は、本格的な少子化・高齢化・世帯数および人口減少局面に入る現在においても、長らく政治と強く結びついてきた業界団体の強い要望もあり、ある意味既得権益的な形でだらだらと続いてきました。

しかし、さすがにもうそんなに新築が売れる時代ではなくなりつつあります。理由は主に3つあります。

1つ目。ピーク時に160万戸、このところ年間90万戸程度で推移している全国の新築住宅着工戸数はやがて40万〜50万戸へと、ここからさらに半減していくでしょう。

理由は単純で、まず「そもそもそんなにニーズがないから」。

戦後の高度経済成長期を、労働と消費という2つの側面で支えてきた、いわゆる団塊の世代(1947〜1949年生まれ)。

これに比して、現在の住宅購入ボリュームゾーン(30代中後半)の世代は、団塊世代の子供たちである団塊ジュニアよりもおよそ一回り下ですが、この世代は団塊世代の人口の半分程度。

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