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蒲蒲線が一歩前進「羽田アクセス」新路線の現在地 国が予算案に費用初計上、JR新線の進み具合は?

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 7時0分

東急多摩川線の電車。「蒲蒲線」こと新空港線は同線を延ばして羽田空港アクセス路線とする計画だ(記者撮影)

東京、そして日本の玄関口となっている羽田空港。東京都心部とのアクセスを担う鉄道は、2024年9月で開業60周年の東京モノレール、そして京急電鉄空港線の2路線だが、新たな路線計画も進行している。

【写真と図でわかる】どこを通る?「新空港線」と「羽田空港アクセス線」。3両編成の電車がのんびり走る東急多摩川線、アクセス線に変身する予定のJR「大汐線」の現在の姿

1つはJR東日本による「羽田空港アクセス線(仮称)」。羽田空港と東京駅を結ぶルートの整備が2023年6月に着工し、2031年度の開業に向けて整備が進んでいる。そして2024年8月、もう1つの空港アクセス路線にも動きがあった。「蒲蒲線」こと「新空港線」だ。

「これで一歩進んだ」新空港線

新空港線は、東急多摩川線の終点蒲田駅の1つ手前、矢口渡駅付近からJR・東急蒲田駅、京急蒲田駅の地下を経て、京急空港線に接続する新路線構想。2つの蒲田駅を結ぶことから蒲蒲線の名でも知られる。現在、整備に向けて計画が進んでいるのはこのうち矢口渡―京急蒲田間、約1.7kmだ。

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国土交通省は8月27日に発表した2025年度予算案の概算要求で、新空港線の整備について補助金3000万円を計上した。国交省が同線に関する費用を計上したのは今回が初だ。予算化されれば、事業化に向けた調査や設計が進み出すことになる。

新空港線の構想を推進してきた大田区の鉄道・都市づくり課の担当者は、「概算要求の段階なので決まったわけではないが」と前置きしたうえで、「私たちはこれでまた一歩進んだと捉えており、ありがたいこと」と語る。

同線は、約800m離れているJR・東急の蒲田駅と京急蒲田駅を結んで区内の交通の分断を解消するとともに、東急線方面から京急空港線へのアクセスを改善するのが狙いだ。東急線と京急線は軌間(線路の幅)が異なるため直通運転には課題があるが、東急多摩川線から続く線路が京急蒲田駅の地下まで延びれば、乗り換えは必要なものの東急東横線や地下鉄副都心線沿線などからの新たな空港アクセスルートとなる。まず矢口渡―京急蒲田間を第1期区間として先に整備するのはこのためだ。

「前進」だが開業は十数年後?

同線の構想は1980年代にさかのぼる。2016年には国の交通政策審議会が取りまとめた東京圏の鉄道整備についての答申で「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」の1つとされたが、その後しばらく進展はなかった。東京都と区の費用負担の割合の調整に時間を要したためだ。

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