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「推し」の素晴らしさをSNSで発信、何がいいのか 「ただの消費行動」にあらず 「推し」で広がる世界

東洋経済オンライン / 2024年9月15日 19時0分

「SNSに書く言葉が、どうしても他人と似たような意見になってしまう」と悩む人もいるかもしれません。

基本的にSNSは、みんなで同じようなポイントについて盛り上がるのが楽しいメディアなので、自分と他人の意見が同じであることを恥じる必要はありません。

それでもやっぱり「他人と違う言葉を発したい」と思ったときは、自分だけのメモや日記を大切にしましょう。

他人のSNSにあがっている感想を見る前にメモした、自分だけの感想。

推しの細かいところに着目したうえで、でてきた言葉。

他人に見せないメモや日記に書いた言葉が、あなたオリジナルのSNSの言葉につながるはずです。

あなただけの着眼点を持った言葉は、誰にも見せない場(自分でつくったメモや日記のことです)で生まれやすいのです。

ぜひ、自分オリジナルの言葉を探してみてください!

推しを語ることは、主体的に推しを楽しむこと

推しについて語ることは、結果的に自分について語ることになります。

なぜ、その推しを好きになったのか?

こんなに推しという存在をつくるのがブームになっている世の中で、その相手を、存在を、分野を、選んだのはなぜなのか?

なぜ、その推しを好きでい続けられるのか?

どんな体験があって、その推しに出会ったのか?

──それらを語ることは、推しの魅力を語るとともに、推しに恋した自分を語ることでもあるのです。

自分の好みを言語化することで、自分についての理解が深まる。

せっかく推しなんて貴重な存在に出会えたんですから、その人生を肯定するためにも、人生を語る言葉を持ってみましょうよ!

「推し」について語ることで、自分の人生も捨てたもんじゃないな、と思えてきます。私は、何度もそういう体験をしました。

たとえば、SNSを通して出会った友人と推しについて話しているとき、まさか共感してもらえると思ってもみなかった点を理解してもらえて感動したことがあります。

ブログに自分の好きな小説について書いて、予想以上に多くの人に読んでもらえて「自分が本当に感じていることを言葉にしたら、人に伝わるんだ!」と思えるようになりました。

あるいは、大好きな漫画の批評をネットに発表したことで、好きなものを好きって、もっと言っていいんだと自信をもらいました。

推しについて語ることで、自分で自分自身について語るよりももっと多くの、自分についての情報を得られるのです。

……と、こんなに推し語りを礼賛していますが、それでも結局推しってただの消費行動じゃん、って言われることもあります。

たしかに、ただ推しのゲームやライブや舞台の観客として──つまり消費者として楽しむだけなら、それで終わりかもしれません。

でも、自分から推しについて語ったり、推しについての文章を書いたりすることで、推しを主体的に楽しむことができるんですよ。

推しについて、提供側が想像しなかった魅力を楽しんでいることを発信できる。推しを通して、能動的に人生を楽しんでいるんだと言うことができる。

他人の言葉に惑わされず、自分自身の推しについて、たくさん言葉にしてみましょう! きっと、推しに出会えた人生について語ったあなたの言葉が、いつかあなた自身を楽しませる日がきます。

「ああ、こんなに好きな存在がいたんだなぁ」って懐かしく、嬉しく思う日がくるはずです。

三宅 香帆:文芸評論家

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