自民総裁選「小泉・石破・高市」"3強"の競り合いに 「冒頭解散」是非など決選投票にらみ駆け引き激化
東洋経済オンライン / 2024年9月17日 20時0分
また、党内意見が割れている「選択的夫婦別姓」では、小泉氏が「私は別姓を選択したいという方に選択肢を用意して、国民の皆さんにお諮りしたい。関連法案への賛否には党議拘束をかけない」などと主張していることに対し、反対派の高市、小林両氏に加え、個人的には賛成とした上川氏らも「分断のリスクに配慮し、時間をかけて議論すべきだ」などと注文をつけ、“速戦即決”にこだわる小泉氏を牽制した。
一方、討論での最後のテーマとなったのは、総裁選を受けて10月1日召集予定の次期臨時国会での新政権発足後の衆院解散の時期と手法で、小泉、石破両氏の意見が対立し、他候補も耳をそばだてるなど、ごく短時間だったが会見場に熱気があふれた。
小泉氏が出馬表明時から「できる限り早期の解散」を主張していることについて、記者クラブ代表が「国民は(選挙で)何を基準に選べばいいのか。せめて(解散前に)与野党の論戦があるべきではないか」と指摘。小泉氏は「判断材料がない、なんてまったくあたらない。(期間が)史上最長の総裁選だ」などと総裁選の論戦を通じて国民に信を問う環境は整うと力説。
これに対し石破氏は「国民に判断していただける材料を提供するのが政府の責任であり、新しい首相の責任だ。本当のやりとりは予算委員会だと思う」と異議を唱え、小泉氏が狙っているとみられる代表質問終了後の解散断行は、説明責任の放棄だとの認識を示した。
討論会に先立ち、各候補は14日正午過ぎから記者クラブが設営した「控室」で、討論会の冒頭に掲げる自らの主張を大書した「ボード」と、総裁選に挑む覚悟や心境を表す「揮ごう」を準備した。各氏の「ボード」は、「経済成長」(高市氏)・「世界をリードする国へ」(小林氏)・「実感できる経済再生」(林氏)・「政治改革」(小泉氏)・「誰一人取り残さない日本の新しい景色」(上川氏)・「国民の所得倍増」(加藤氏)・「改革の実績・熱さと速さ」(河野氏)・「全ての人に安心と安全を」(石破氏)・「『増税ゼロ』の政策推進」(茂木氏)というもので、それぞれ明快な口調でその狙いと実践をアピールした。
その一方で記者クラブに保管する「揮ごう」は討論会終了後にメディアに公開されたが、その中で話題となったのは河野氏が書いた「〇」だった。これには、他候補や関係者からは「中身が空っぽと思われないか?」などと揶揄する声もあったが、同氏は「これまでの総裁選で書きつくしたので、あえて白星を願って書いた」と笑い飛ばしていた。
“2強”に割って入る高市氏―「党員・党友調査」
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