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原始の地球上に「土」が存在しなかったという驚き 土はどこから運ばれ、どうやって作られたのか

東洋経済オンライン / 2024年9月19日 16時0分

ここでまず土とは何かを確認します。土は、1人の人間としては子どもの頃から、人類としては古代から接してきたものなので、土ってなあにと考えることはほとんどありません。

しかし、今や土を知ることが大事なので基本をまとめましょう。

原始の地球には「土」はなかった?

原始の地球は岩石(地殻)と水(海)とでできており、土壌はありませんでした。意外に気づいていない人の多い事実です。

地表地殻の岩石は少しずつ破砕されていきます。これを「風化」といい、地表の温度変化に伴う膨張・収縮や、雨・氷雪に長期間さらされて起きる「物理的風化」と、化学反応によって岩石の成分が水に溶けたり分解したりして起きる「化学的風化」があります。いずれにしても地表に小さな石ができ、さらには砂になっていきます。

これだけでは土にはなりません。

地球に、あるとき生きものが生まれます。40億年ほど前の海には、現存の生きものの祖先となる細胞が存在したことは確かですので、ここを出発点にします。

海中での進化によって多様な生きものが誕生し、5億年ほど前になってやっと上陸が始まります。なぜ地球に生きものが存在するのかと考えると、そこに水があったからという答えになるでしょう。

日常私たちは、水は必要なものと思って過ごしていますが、水の意味はそれ以上であり、水があってこそ生きものがいるという関係なのです。

ですから、生命誕生から35億年近くの時間、生きものたちが海で暮らしていたのは当然です。

しかし、どうも生きものには冒険心があるらしく(浅瀬が混雑し始めて追いやられたという考えもあります)、上陸大作戦が始まります。まず植物、次いで昆虫たち、さらに動物が上陸し、それとともに土がつくられていくのです。

植物の枝や葉が落ち、それをミミズやシロアリなどの動物がさまざまな微生物とともに分解して、土ができていくという作業は今も続いており、その土が植物の生育を支え、多様で複雑な陸上生態系ができ上がっているのです。

土は生きものなしには存在しない

大さじ1杯の土には1万種類、100億個の微生物がいるといわれます。土は生きものなしには存在しませんし、生きものは土に支えられて存在しているという関係に注目すると、土の力の活用こそ陸地での生活の基本と考えられます。

土の役割を改めて確認します。

1 陸上の生産者である植物を支え、育てます。農耕は植物を栽培し、家畜を飼育する行為であり、土の力に支えられています。

2 土の粒子の間隙には水と空気が貯えられ、それが植物の根から吸収されます。土中の水は地球上の水循環の重要な経路です。近年、「森は海の恋人」という言葉に代表されるように、この水循環への関心は高まっています。

3 土中にいる無数の微生物や小動物が、生物の遺骸や排泄物、さらには生ゴミも分解して植物の栄養として使われるのですが、生きもののはたらきを土の中の空気が助けます。

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