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謝ることを負けと考えてしまう人がおちいる悲劇 「日本人はすぐに謝る」は過去のこと

東洋経済オンライン / 2024年9月20日 17時0分

だからこそ、仲よくしたい相手や、関係を続けていきたい人には、「私は危害を加えない人間ですよ」というメッセージを、おたがいに、こまめに送りあうのです。

また、「人種のサラダボウル」と言われるように、さまざまな文化的背景を持つ人たちが集まる国なので、「私は賛同できないけど理解はできるよ」「そういう見方もあるんだね」といったフレーズが、日常会話にたくさん出てきます。

日本人より、ずっと自己主張の強い人たちですが、それとセットで「おたがいにメッセージを送りあう」「違いを認める」といった考え方も社会に根づいています。

「謝る」=「負け」ではない

今の日本では、自己主張のスキルだけが急速に発達して、その結果、相手と意見が食いちがったり、反論されたりしたら、必要以上に相手を敵視して、全力で叩きのめそうとする。そんな悲しいことが起こっています。身近な人間関係で、そうなってしまうのは、あきらかに不幸です。

そんな状況を回避したいなら、ぜひ、「ごめんなさい」の技術、つまり関係修復のスキルを身につけてください。そして、身近な人との関係がうまくまわっていけば、あなたの人生の満足度は確実にアップしていきます。

なお、誤解のないようにお伝えしておくと、「ごめんなさい」を言うことは、妥協することでも、卑屈になることでも、相手に負けることでもありません。「ごめんなさい」を伝えるかどうかは、あなた自身が決められます。

もし、あなたが「この関係は切れてもいい」と思うなら、「ごめんなさい」を言わない選択もできるということです。そのうえで、もし伝えることを選ぶなら「技術」が必要です。

多様性社会で相手と関係を結んでいく技術

これからの社会は、どんどん多様化が進んでいきます。そのときに、「ごめんなさい」の技術の重要性は高まっていくはずです。

日本は島国ということもあり、これまで「均質性が高くて、多様性は低い」と指摘されてきましたが、そうとも言えなくなってきています。

多様性とは、性別、人種、国籍などの違いだけではありません。1人ひとりのライフスタイルの変化も、多様性の1つです。会社勤めの人、フリーランスの人、1つの会社で働きつづける人、転職する人、独身の人、子育てをしながら仕事をする人、夫婦2人の暮らしをしている人、親の介護をしている人……そうした違いも多様性といえます。

数十年前のライフスタイルは、たとえば男性なら、会社勤めをして、結婚して、子どもができて、家を買って、定年まで働く……といったコースを多くの人が選んだように、とてもよく似ていました。

そのような均質性の高い社会なら、日本の「察する文化」も、それほど難しいことではなかったでしょう。隣の人と自分の生活がほぼ同じなので、悩んでいること、うれしいこと、感じていることも共有しやすかったはずです。また、「ごめんなさい」が必要な場面でも、「まあ、おたがいさまだから」と穏便にすんでいたのだと思います。

ですが、これからの時代は違います。同じ学校にいても、会社で隣に座っていても、そして同じ家に住んでいても、相手は自分と違う背景、価値観を持っていることが当たり前になります。
 
そのときに、「ごめんなさい」の技術、つまり相手とぎくしゃくしたときの「関係修復のスキル」が必ず必要になるはずです。

林 健太郎:リーダー育成家 合同会社ナンバーツー エグゼクティブ・コーチ

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