1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

自民総裁選の裏で岸田氏が「虎視眈々と狙うこと」 激化する菅・麻生氏との「キングメーカー争い」

東洋経済オンライン / 2024年9月24日 9時0分

これに対し、岸田氏も総裁選告示以来、連日のように旧岸田派議員らとの情勢分析に腐心している。岸田氏にとって、今回の総裁選への対応は「党実力者としての影響力維持・強化への試金石」(側近)となるからだ。

最側近とされる木原誠二幹事長代理らは小泉陣営入りして注目される。岸田氏周辺は「岸田さんはあえて黙認しているが、本音では『木原君の将来がなくなりかねない』と考えている」(派幹部)と岸田氏の複雑な心境を解説する。

最後の訪米で存在アピール

その一方で、ここにきて岸田氏自身は秘書官らに対し「総辞職の直前まで、首相としての職務に万全を期す」と繰り返し、連日の多忙な日程にもかかわらず「体調維持に余念がない」(官邸筋)とされる。その岸田氏が「首相としての最後の晴れ舞台」(同)と位置付けるのが21日から24日までの訪米だ。

21日午前に裕子夫人を伴って政府専用機で訪米の途についた岸田氏は、まずアメリカのバイデン大統領の地元・デラウェア州での日米首脳会談に続き、日米豪印の4カ国の枠組み(クアッド)によるクアッド首脳会合などに出席。

続いて現地時間22日昼前にニューヨーク入りし、23日未明に地球規模の課題などを話し合う国連総会での「未来サミット」での演説で、安保理改革への行動を呼びかけるとともに、法の支配に基づく国際秩序の重要性や核兵器廃絶に向けた取り組みの推進を訴え、24日午後帰国する。

最後の日米首脳会談では、バイデン氏から「最大限の賛辞」を贈られ、岸田氏も「万感胸に迫る表情」(同行筋)だったとされる。「まさに“センチメンタルジャーニー”」(政治ジャーナリスト)とも揶揄された訪米だが、「そもそも、岸田氏自らが決めて実現させた日程で、訪米中は総裁選と並んで報道され、存在感をアピールする目的は達した」(官邸筋)との見方が広がる。

岸田氏は帰国直後から総裁選対応に集中する構えで、27日の投開票日に向け、側近らと戦略を練ることになる。その総裁選は「ふたを開けるまで誰が勝つか分からないという過去に例のない大混戦」(自民長老)となるのは確実で、だからこそ「勝敗のカギを握る」(同)とされる岸田氏の動向に注目が集まるのだ。

総裁選後に「黄金期」を迎える?

そうした状況を踏まえ、党内からは「今回の総裁選だけでなく、今後数年間の政局と自民内権力闘争に視野を広げると、岸田氏は明らかに菅氏や麻生氏より優位に立っており、総裁選後に"黄金期"を迎えてもおかしくない」(同)と指摘する向きもある。

確かに、現状を見る限り「今後数年間、総理総裁の座を争うとみられる9人の候補達のほとんどが、岸田氏との関係維持に注力する」(政治ジャーナリスト)との見方が少なくない。

このため自民党内でも、「総裁選の結果次第では、長期間党内実力者の座を維持してきた麻生、菅両氏や二階俊博元幹事長、森喜朗元首相を押しのけての『岸田1強』時代の幕開けになるのでは」(自民長老)との声も出始めている。

泉 宏:政治ジャーナリスト

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください