一等地に中国車両「国際鉄道見本市」の注目テーマ 「イノトランス」開幕、日立は高速車両を出展
東洋経済オンライン / 2024年9月24日 12時0分
ドイツのベルリンで2年に1度開催される国際鉄道見本市「イノトランス」は、世界中の鉄道関係者が集結する鉄道の祭典である。今年の会期は9月24日から27日まで。
【写真を見る】ドイツで開催される国際鉄道見本市「イノトランス」。中国中車のCINOVA H2の前では「ゆるキャラ」が練習中。ほかに日立が展示する高速鉄道車両ETR1000
まだコロナ禍が収束しきっていなかった2022年は56カ国から2834の鉄道関連企業や団体が参加したが、今回は59カ国から2940の企業・団体が出展。61カ国から3062の企業・団体の出展した2018年の実績には届いていないが、その規模は徐々に回復傾向にある。
目立つ位置に「中国製車両」
会場には鉄道の引き込み線があり、本物の列車が持ち込まれるのがイノトランスの最大の特徴だ。世界中のメディアが集まるとあって、多くの車両メーカーがここで新型車両のお披露目や新技術の発表を行う。
「この場所に中国の車両が置かれるなんて」――。
屋外に展示される車両の配置図を見て出展者たちが驚いた。会場に入ってしばらくは屋内のブースが続くが、屋外の広い車両展示スペースに向かうと、まず目に飛び込むのは明るく輝くメタルブルーの流線形車両。中国の鉄道車両メーカー・中国中車の「CINOVA(シノヴァ)H2」である。
完成したばかりで今後中国国内でのデビューが決まっている。時速160kmでの営業走行を想定しているが、最高時速は200kmなので高速列車の範疇にも含まれる。
前回、この場所に置かれていたのはポーランドのメーカー・ネヴァグのハイブリッド車両。環境性能を重視する近年の鉄道業界のトレンドにマッチして来場者から高い関心を集めた。その場所に今年は中国製の列車がでんと構える。前回2022年のときは、中国中車の車両が置かれていたのはメイン会場からやや離れた通路のような場所だった。
車両の傍らにいた中国中車のスタッフに「こんないい場所を勝ち取るのは大変だったのでは?」と水を向けると、「わかりません」とつれない答え。しかし、「わざわざ中国から海上輸送でイノトランスの会場に持ち込んだ」と付け加えるあたり、輸送の手間と費用を考えれば意気込みは伝わってくる。世界最大の売上高を誇る中国中車の売り上げの大半は国内で稼いだものであり、国外売上を伸ばす必要がある。イノトランスは世界へアピールする格好の機会なのだ。
日立は高速鉄道車両を展示
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
アウトメカニカ上海 2024、過去最高22万人が来場…NEVビジネス活況の中国に最先端アフターマーケット関連商材が集結
レスポンス / 2024年12月18日 11時30分
-
高速列車だけでない、日立「車両以外」の鉄道技術 AIで車内の不審物検知や施設のトラブル回避
東洋経済オンライン / 2024年12月13日 6時30分
-
中国が時速1000キロのスーパー高速鉄道を開発中、だが実際の導入には多くの問題―中国メディア
Record China / 2024年12月4日 7時0分
-
次の狙いは「中東」?欧州鉄道メーカー最新事情 水素車両は一段落、目立つ新車の「納期遅れ」
東洋経済オンライン / 2024年11月27日 6時30分
-
「FHC上海環球食品見本市2024」のジャパンパビリオンに74社が出展(中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月25日 0時20分
ランキング
-
1オープンAIの新たな生成AI「人間並み」近づく…安全性を確認するため当面は研究者に限定提供
読売新聞 / 2024年12月21日 18時19分
-
2《追悼・渡辺恒雄さん》週刊ポスト記者を呼び出し「呼び捨てにするな、“ナベツネさん”と呼べ」事件
NEWSポストセブン / 2024年12月21日 16時15分
-
3車両生産で相互乗り入れ検討 ホンダ、日産にHV供給も
共同通信 / 2024年12月21日 16時3分
-
4「本当に就職に強い大学ランキング」トップ150校 卒業生が1000人以上で実就職率が高い大学
東洋経済オンライン / 2024年12月21日 7時30分
-
5ゴーン被告「日産の内部はパニック状態」「ホンダはこの取引に押し込まれた」
読売新聞 / 2024年12月21日 18時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください