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ついに動いた!任天堂vs.パルワールド訴訟の焦点 ポケモンに酷似?協業するソニーの出方は

東洋経済オンライン / 2024年9月25日 8時0分

今年1月にリリース後、国内外で大ヒットを記録したパルワールド。2015年に創業したインディーゲーム会社が開発・運営している(画像:ポケットペア)

ついに巨人の堪忍袋の緒が切れたようだ。

【画像で見る】パルワールドに登場するキャラクター。ポケモンに酷似しているとの指摘も

任天堂は9月19日、「ポケットモンスター」のライセンス管理などを担うポケモンと共同で、ゲーム開発会社のポケットペアに対し、特許権侵害訴訟を東京地方裁判所に提起したと発表した。提訴は9月18日付。

任天堂側は、ポケットペアが1月に発売したゲーム「パルワールド(Palworld)」が複数の特許権を侵害しているとして、侵害行為の差し止めと損害賠償を求めている。ポケットペアは9月19日、「訴状を受領しておらず、先方の主張や侵害したとする特許権の内容等について確認できていない」とのコメントを公表。パルワールドの運営、提供は続けるという。

ポケモンが出していた“警告文”

「提訴はやはりという感じだ。さすがに目に余ったのだろう」。ゲーム業界関係者からは、任天堂の対応を淡々と受け止める声が上がる。

ポケットペアは、仮想通貨取引所コインチェックの共同創業者でもある溝部拓郎氏が2015年に創業したインディーゲーム開発会社。4本目のタイトルであるパルワールドは、架空の生き物「パル」が登場する世界を舞台としたサバイバルゲームだ。

今年1月、開発段階にあるゲームをユーザーがプレイできるようにする早期アクセスという形でSteamやXboxで配信を開始。するとわずか1カ月で総プレーヤー数が2500万人を突破するなど、海外を中心に大ヒットを記録した。

一方でリリース当初からユーザーの間では、パルのデザインがポケモンシリーズに似ていると指摘されていた。パルに銃を持たせて戦わせたり、パルを売り飛ばしたりすることも可能で、ポケモンの世界観ではありえないような遊び方も話題を呼んだ。

ポケモンは1月末、他社ゲームがポケモンに類似しているといった意見や問い合わせが多数来ているとしたうえで、ゲーム会社の具体名には触れない形で「ポケモンのいかなる利用も許諾しておりません。ポケモンに関する知的財産権の侵害行為に対しては、調査を行った上で、適切な対応を取っていく所存です」との声明を出していた。

ポケモンからの警告とも受け取れるような声明も意に介さず、ポケットペアはパルワールドの人気を追い風に、ビジネス拡大へと突き進んでいく。

7月には、ソニー・ミュージックエンタテインメントと傘下のアニメ会社アニプレックスとともに、パルワールドのライセンス事業を行うジョイントベンチャーを設立。すでにアニプレックスのECサイトなどで、パルワールドの公式グッズの販売を行っている。「ポケットペアがパートナーを探していて話がきた。アニプレックスとしても低年齢層向けのIPを欲していた」(アニプレックス関係者)。

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