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最強の米「コシヒカリの味」東西で違う意外な事情 続々と開発される「コシヒカリ系統」にも注目

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 14時0分

「コシヒカリの味」について解説します(写真:かぜのたみ/PIXTA)

お米はかつて、政治や経済と密接に関係し、お米を巡って争いやもめ事が起きていました。第二次世界大戦中には、「米穀配給通帳」というお米の配給を受けるための通帳が配られ、これがなければお米を手に入れられないだけでなく、身分証明書の機能も果たしていました。

時代は進み、2024年の今、米不足によりお米の値段が上がり、家計を圧迫しています。そんな状況から、日々のニュースを気にしながら見る方も少なくないでしょう。今も昔も、お米は私たちになくてはならない存在です。しかし、お米について知らないことがたくさんあります。

今こそ知っておきたい「お米の教養」について、4000種以上のお米を食べてきた「おこめ鑑定士」である芦垣裕氏による新著『米ビジネス』より一部抜粋、再構成し、3回にわたってお届けします。

2回目の本記事では、「コシヒカリの味」について解説します。

コシヒカリの味は東西で変わる

コシヒカリは、ほぼ全国で栽培されています。ただし、北海道、東京都、沖縄県は、産地品種銘柄になっていないので、栽培されていたとしても「コシヒカリ」と表示することができません。

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そして、一般的にお米の味の傾向は、大きく東西に分けることができます。コシヒカリも同様です。

近畿地方以西の西日本のコシヒカリは、しっかりした食感で粘りもやや少なめ、甘味とうま味も控えめな傾向です。

一方、東日本の日本海側と内陸部のコシヒカリは、柔らかくて粘りが強く、ふっくらとして甘味とうま味も強くある傾向です。また、東日本の太平洋側のコシヒカリは、適度な柔らかさと粘りがあり、甘味とうま味も適度にある傾向があります。

ただし、実際にはその場所の地形や土質、水質、気象などによって、微妙に味が異なっています。

例えば、新潟県の魚沼産コシヒカリは、柔らかくてモチっとした粘りが強く、心地良い弾力があり、甘味、うま味がとても強いため、白飯として食べるととてもおいしいといわれています。

しかし、魚沼産コシヒカリを食べて「おいしくなかった」という経験をされた方もいらっしゃることでしょう。これは土質、水質、気象など、魚沼地方のなかでも、細かい地域でその環境に違いがあるためです。

近年、お米のコンクールで金賞を受賞している地域は、群馬県北部や長野県、岐阜県など標高が高くて、綺麗で比較的冷たい水が豊富な地域が増えている傾向にあります。

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