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兵庫県知事「鋼のメンタル」は強烈な自己愛が形成 出直し選挙では勝てる可能性を感じている

東洋経済オンライン / 2024年9月28日 8時0分

自分の味方からの声には感動したり、後悔の念を抱いたりする一方で、亡くなった職員について言及する場面では、「残念」という言葉はあるものの、涙を流したり、悲しみの表情を浮かべる場面はありません。

高い自尊心や自己愛の功罪

無論、自尊心や自己愛が高いことは悪いことではありません。自分の信念に自信を持ち、積極的な行動に移していくには必須な要素です。もし県民、県議会、職員などと足並みがそろえば、むしろ強力なリーダーシップを発揮できる武器になります。

多くの人が違和感を覚えるのは、本来は長所である一貫性が、知事の場合、パワハラ等に対する道義的責任を感じていない点に発揮されていることにあるのではないでしょうか。

そもそも知事は自身の行為をパワハラではなく、指導の範疇と思っているようです。こうしたところから、知事の自尊心や自己愛はネガティブに捉えられ、何を言われても折れない、自身の見解を変えない、「鋼のメンタル」と映るのではないかと思われます。

出直し選挙ではチャンスがあると見込んでいる?

知事自身は、多くの県民から支持を得てきたという自負があるのでしょう。会見中、出直し選挙では後援なしで臨むと述べつつ、幸福表情が生じる場面があります。

幸福は期待を表します。出直し選挙でもう一度、信任を獲得できる可能性がままあると見込んでいるからこそ幸福表情が生じていたのではないでしょうか。

一方で、職員の接し方について問われる場面では、口周りに力を入れ感情を抑制している微表情が見られます。「職員への接し方は改めるようにしてきた」と述べていますが、感情を抑制しながら発せられているため、言葉と表情が一致していません。目下、表面上は問題なく振る舞われているかもしれませんが、思うところはいろいろあるのかもしれません。

ストレスがかかっても、自尊心が高く、さらに心が安定していると他者に対して攻撃的にはなりません。一方、自尊心が高くても心が安定してないと他者に攻撃的になるという傾向が知られています。

知事の経歴や実績から、知事が高い自尊心や自己愛を持つことは理解できます。しかし、トラブルが起きたり、批判されたりなどストレスがかかると心の安定が失われ、今回のような事態を招いてしまったのでしょう。

清水 建二:株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役

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