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「いざとなると難しい」冷静に謝罪する準備の方法 「伝えること」と「伝えないこと」をどう整理する?

東洋経済オンライン / 2024年9月30日 17時0分

謝罪の際に責められて、果たすことを求められる責任には、大きく2つあります(写真:metamorworks/PIXTA)

危機管理広報において、不祥事が発覚した際にどのように振る舞うかが重要なポイントになります。実際に自分がその場に放り込まれたら、意外とうまくできないのが、謝罪です。冷静に謝罪するために必要な準備を、『世界標準の説明力』から抜粋する形で紹介します。

謝罪で求められる「説明責任」と「道義的責任」

「あれはどういうこと? もっと詳しく報告しなさい」

「どうしていまこうなっているんでしょうか? どんな気持ちなんですか?」

「何か隠しているでしょ? なんだかよくわからない」

「嘘を言ってないですか? 本当に申し訳ないと思ってますか?」

……なかなかツライですね。

これらの質問には、聞かれる前に準備しておきたいですね。後手に回って、答えを探したり、その場で考えさせられたりするのは、なるべく避けたいところです。

謝罪の際に責められて、果たすことを求められる責任には、大きく2つあります。

「説明責任」と「道義的責任」です。

説明責任は、責められるべきことをした側が、責める側が納得するほど必要十分な情報を提示して、理解してもらえるように「説明」する責任です。

道義的責任は、非言語、音声、言語の形で、責められるべきことをして、道義的、倫理的に不十分だった点を挽回するために、責める側へコミュニケーションを通じて示すことで果たす責任です。

謝罪では、この説明責任を果たすために「伝えること」と「伝えないこと」、道義的責任を果たすために「伝えるべきこと」と「伝えるべきでないこと」の4つを、コミュニケーションに臨む前に準備することが大事です。

謝罪の最中にこれらの判断を迫られると、コミュニケーションが滞ったり、不適切な判断をしたりして、謝罪がうまく伝わらないことが多いです。

謝罪を伝えるコミュニケーションでは準備が重要

ですから、「伝えること」に分類した内容は、仮に聞かれなくても謝罪の早い段階で伝えます。また、「伝えないこと」に分類したことは、聞かれても伝えません。絶対に。この線引きを事前にすることで、必要十分に説明責任を果たします。

同様に、「伝えるべきこと」に分類した内容は、仮に聞かれなくても伝えます。そして「伝えるべきでないこと」は、聞かれても伝えません。これは、必要十分に道義的責任を果たすためです。

この計画法を、「X(クロス)責任計画法」と呼びます。説明責任と道義的責任、伝えることと伝えないことを、縦軸と横軸で交差(つまりクロス)させて、4つのマスを計画する方法です。

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