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9月末は日本株の今年最後の買い場になりそうだ 株価が大きく下がってくれることを期待する

東洋経済オンライン / 2024年9月30日 10時30分

もし、本日(9月30日)あるいは今後、この二番底である3万5619円を割れない限り、上昇波動は壊れない。確かに先物価格を見ると大幅下落から始まることが予想されるが、3万5619円(前日比4210円安)までのゾーンが買い場と見るのがチャート分析の鉄則だ。

7月の8連続安のあとに8月5日の史上最大の下げに襲われたように、大きな連続安のあとに大きな下げがくるケースが多い。だが、9月3~11日の7連続安後は12日の1213円高や26日の1055円高、あるいは権利落ち日である27日の「当日権利埋め」の強気相場のシグナルで、「今回は大幅安がないのか?」というほどの雰囲気だった。

予想外の選挙結果で、その大幅安が今日の30日だとしたら、待っていた買い場ではないか。

今回が「年内最後の買い場」と見る理由

私がそう思うの理由は主に以下の5点だ。

① 9月20日までの日経平均の移動平均線の総合乖離(25日・75日・200日移動平均線の乖離率の合計)は目先の需給に不利なマイナス圏であったが、現在はプラス転換している。

② 円高進行で企業業績に不安があっても、日経平均予想EPS(1株当たり利益)は9月27日現在2505円と過去最高を更新している。株価決定の基本である企業業績が最高の状態で、株価が継続的に下降していくことはありえない。

③ 日経平均の一番底となった8月5日には1ドル=130円台に突入した円高だったが、今回は140円台で止まっている。

④ 物価の上昇を反映した7月の「実質賃金」は2カ月連続のプラスとなった。名目賃金に相当する1人当たりの現金給与総額は1997年以来の高水準である。

⑤ 何よりも世界中が株高だ。景気のソフトランディングに成功したアメリカのNYダウ工業株30種平均、S&P500種指数、さらには成長率の高いインドのSENSEX30はもちろんのこと、景気減速懸念の独DAX指数まで史上最高値となっている。

10月1日に新首相に就任する見通しの石破茂新総裁は、岸田文雄首相が進めてきた経済政策を基本的に引き継ぐ意向を示しており「デフレ脱却を確実に実行」することは継続される。

また、外交が得意だった岸田首相には劣るが、石破新総裁は過去に防衛庁長官を務め、2007~2008年には防衛大臣にも就任している、軍事・防衛に強い政治家だ。

「新首相」の関連銘柄は?

さらに、長年の持論である「防災省」創設をスローガンにしていることも注目される。したがって、「防衛関連」「防災関連」を中心にして、今までの「デフレ脱却関連」が「新首相銘柄」となる。日銀の利上げに反対だった高市早苗氏の総裁の可能性が高まったのと同時に売られていたメガバンク株の反発に期待したい。

増税をにおわせていた岸田首相も、就任後、市場の洗礼を浴びたこともあり、その後は「資産(所得)倍増プラン」、さらには「資産運用立国実現プラン」へと豹変した。

しかも、これらよりもはるかに強い「所得倍増計画」を唱えている加藤勝信元官房長官を財務大臣に起用するとの話が浮上している。もし、実現するなら、石破新総裁の極めて巧妙な人事ではないか。本日30日のマーケットが大きく下がってくれることを期待する。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

平野 憲一:ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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