「新型コロナワクチン」定期接種開始でどうなる? 種類は?値段は?打つべき人は?子どもは?
東洋経済オンライン / 2024年10月1日 8時0分
新型コロナウイルスワクチン(以下、ワクチン)の接種が、10月1日から新たな枠組みで始まる。「定期接種B類」という位置づけで、重症化予防が目的だ。対象となる人や費用、メリット・リスクについてまとめた。
コロナはただの風邪じゃない?
「新型コロナは『軽い感染症』になったと認識されていますが、高齢者では今もなお重症化しやすく、入院、死亡のリスクも依然としてあります。ウイルスの変異とともに、2回、3回と感染する人も出てきています」
鹿児島大学微生物学教授の西順一郎さんはこう解説する。
厚生労働省のまとめでは、2023年5月8日の5類移行後に「波」は3回あった。それぞれピーク時1週間の感染者数(定点医療機関からの報告数)は減少しているが、入院患者数はむしろ増えている。例えば、2024年の初め(第10波)は3500人ほどだったが、7~8月(第11波)は4500人程度だ。
【図で見る】10月1日から始まる「新型コロナウイルスワクチン」の定期接種、誰がどう接種すればいいのか?
「オミクロン株のなかで病原性が高まっていないのは確かですが、5類移行後の1年間で2万9000人が死亡している。特に高齢者にとってはインフルエンザ以上に負担が大きいといえます。小児は重症化しにくいとはいえ、2023年は15歳未満で44人が死亡しています」(西さん)
重症化だけでなく、疲労・倦怠感や集中力低下といった罹患後症状(後遺症)に悩まされる人もいる。
とにかく、「この病気には、かからないほうがいい。どうやって自分を守るか、重症化や発症予防の選択肢の1つにワクチンがある」(東京大学医科学研究所附属病院感染免疫内科教授の四柳宏さん)ということだ。
2つの条件できまる接種対象者
そうしたなか、この秋から新たな枠組みでのワクチン接種が始まる。
従来の法的位置づけは、蔓延予防に緊急に必要な「特例臨時接種」だったが、今年4月から個人の発症・重症化予防に比重を置いた「定期接種B類疾病」に移行していた。この類型では接種は努力義務ではなく、自治体による勧奨もない。対象者は次のような人で、接種は1回だ。
・65歳以上
・60~64歳で心臓、腎臓、呼吸器の機能の障害、またはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)による免疫の機能の障害がある
使用するワクチンは、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン3種類と、組み換えタンパクワクチン、そしてmRNAレプリコンワクチンの計5種類。合わせて約3224万回分の供給が予定されている。
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