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文化祭や運動会で見る受験校選び「深い」ポイント 「うちは自由な学校です」が本当かを見極める

東洋経済オンライン / 2024年10月3日 8時0分

逆に、一見ダラダラしたゆる〜い運動会をしている学校には、全体主義的なことを嫌う傾向があります。自由な校風として有名な学校のなかには、いわゆる伝統的な競技を行う運動会を廃してしまい、代わりにレクリエーション色の強い体育祭や球技大会を行う学校が少なくありません。

たとえば筑駒の体育祭は2日間にわたってオリンピック形式で行われます。グラウンドや体育館をフル活用して、サッカーやバレーボール、相撲などの競技を同時進行します。武蔵の体育祭も2日間にわたって行われ、初日はいわゆる運動会的な伝統競技、2日目は球技などさまざまなスポーツで競われます。桐朋には、運動会も体育祭もありません。そのかわりに球技大会が行われます。

ちなみに、女子校の運動会や体育祭は学年対抗で行われることも少なくありません。高3と中1がリレーで競ったりするのです。勝負は見えています。でも、勝つことよりも、お互いを支えあい学年の一体感を醸成することのほうが大切だというのです。男子校でそのような学校は私の知る限り1つもありません。

文化祭は多様な「個」を表現するイベント

クラスや学校などの単位は度外視で、やりたい生徒が自発的に手を挙げて、いわゆる有志団体単位で出し物を企画する形式で文化祭が営まれる学校は、組織よりも個を優先する思想が強い学校です。

クラス単位で企画を出したり、部活単位で企画を出したり、任意の有志の集まりで企画を出したりします。学校によっては「自発的に表現したいことのない生徒は企画に参加しなくてもいい」ということもあります。

一方で、たとえばクラス単位で演劇の完成度を競い合うことが「文化祭」と呼ばれている学校もあります。学年単位でテーマが決められており、それに沿った出し物をクラス単位で考えなければいけないという縛りがある学校もあります。普段の学習活動の発表の場を「文化祭」と呼ぶ場合もあります。

ある受験生の母親は、ある学校の文化祭に親子で参加したものの、まるでゼミの発表会みたいで拍子抜けしたともらしていました。生徒の内発性からくる表現ではなく、枠組みを決められた表現だったというのです。そのような学校でも「文化祭は生徒たち主体で運営されています」と必ず言います。

これまでの取材経験から言わせてもらえば、運動会では規律のとれた組織力が目立ち、文化祭でもクラス単位や学年単位の割ときっちりとしたルールがある学校は、組織的な規律を重視する学校と見て間違いありません。逆に運動会がゆるゆるで、文化祭も任意参加になっているような学校は個人の自由を重視する学校と見て間違いありません。

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