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韓国大統領が北朝鮮に発した強い軍事警告の意味 超大型「バンカーバスター」など最新強力装備を公開

東洋経済オンライン / 2024年10月3日 15時0分

ソウル市近郊・城南市のソウル空港で行われた「国軍の日」の記念式典。後ろに見えるのがモンスターミサイルとされる「玄武5型」地対地ミサイル(写真・韓国大統領室)

韓国の尹錫悦大統領は2024年10月1日の「国軍の日」に演説を行い、「北朝鮮が核兵器の使用を願うなら、韓国軍と韓米同盟は断固として、圧倒的な対応を行う。その日こそ、まさに北朝鮮の政権の最後の日になるだろう」と強くアピールした。

また尹大統領は「北朝鮮の政権は今からでも、『核兵器こそが自分たちを守ってくれる』という妄想から脱却すべきだ」と付け加えた。

尹大統領は今回の演説で、北朝鮮批判のボルテージを普段よりも高めた。「(北朝鮮から)ゴミを詰めた袋に風船を付けて飛ばしたり、GPSの妨害を行うといった卑劣な挑発を行い、さらには『大韓民国は同族ではなく敵対国だ』とする2国論を主張しながら、南北統一さえ否定している」と北朝鮮を批判した。

超大型地対地ミサイル「玄武5型」

さらに、「敵の善意に頼った偽りの平和は蜃気楼にすぎない。敵がわれわれを超えられないようにする力を育て、平和を守ることが唯一の道だ。これは人類の歴史が証明している」と強調した。また、「韓国政府は強固な関係にあるアメリカとの同盟関係を基盤に、韓米日の安保協力をさらに強化していく」と呼びかけた。

今回、演説を行ったのはソウル市近郊・城南市のソウル空港。ここでは地下にある北朝鮮軍の司令部さえも破壊してしまう威力を持つとされ、「モンスターミサイル」と呼ばれる大型地対地ミサイル「玄武5型」ミサイルが初めて公開された。

また、「死の白鳥」と呼ばれるアメリカ軍の超音速戦略爆撃機B-1Bランサーも空中を飛行した。国軍の日に、韓国政府は北朝鮮に対し強力な警告的メッセージを送ったようだ。

玄武5型地対地ミサイルは、米韓による「3軸体系」の1つとされるものだ。3軸体系とは、核ミサイルによる脅威に対応する防御・反撃戦略のことで、①北朝鮮の核ミサイルを先制打撃する「キル・チェーン」、②北朝鮮が発射したミサイルを探知・迎撃するミサイル防衛システム、③弾道ミサイルを大量に発射して北朝鮮を攻撃する大量報復手段のことだ。

玄武5型はこのうち③に該当する兵器だ。この日公開された玄武5型は、9軸を持つ発射車両に搭載された形で移動し、発射管の長さは約20メートル。発射時には垂直に立てられた発射管から噴出して空中で点火する「コールド・ローンチ」の方式で発射される。

弾頭重量は最大8トンに達し、その破壊力は戦術核兵器に匹敵するとされる。韓国軍は有事の際、玄武5型を20~30発発射して北朝鮮の司令部などが隠れている平壌一帯を壊滅させる計画を立案している。玄武5型は地下100メートル以上を貫通する「バンカーバスター」と呼ばれる機能を持っている。

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