バスケ人気再燃、Bリーグ「大胆な新基準」の勝算 千葉ジェッツ再建したチェアマン島田氏の手腕
東洋経済オンライン / 2024年10月5日 9時0分
「Bリーグは長くマイナーな時代を過ごしてきた。そのため、注目されなくても生きていくという野武士的な生存能力は備わっていた。マーケットが厳しい中でも生き残ってきたという強さに加え、改革によって資本が付くようになった。この資本と地域密着のハイブリッド経営が改革の本丸であり、Bリーグの強みだと考えている」
千葉ジェッツの立て直しで得た経験は生きているか?
こうした一連の構造改革を推進してきた島田氏は、倒産の危機にあった千葉ジェッツふなばしの立て直しを成功させた実績を持つ。千葉ジェッツでの経験は、Bリーグを盛り上げていくうえで、どう生きているのか。
「全部かもしれない。というのも、私がラッキーだったのは明日にもつぶれそうなチームに関わったことがスタートだったこと。幾多の苦難がありながら少しずつ経営改善して、スポンサーを増やしたり、富樫勇樹選手を獲得したり、チャンピオンにもなった。考えてみれば、底辺から頂点までの経験をした人はなかなかいない。
たまたま頼まれて千葉ジェッツの社長になって、1年契約のつもりが3年、5年と延び、気がついたらチェアマンをやっていた。私の経験は56(2024-25シーズンは55)クラブの幅の中にすべて収まる。発展途上のチームにも成長著しいチームにもアドバイスできるので、誰と話しても言葉が通じる。それが改革の支持を得た理由かもしれない」
興味深いことに島田氏は千葉ジェッツの社長になるまで、バスケットのファンや選手でもなければ、スポーツビジネス自体にも関心がなかった。気づけば自治体から地元企業、ファンに至るまで巻き込む人が次第に増えていって、その責任を果たさないといけなくなった。面白いというよりも、やればやるほど責任が広がって、応える責務が大きくなって、気づいたら13年が経っていたという。
NBAから渡邊雄太選手がBリーグに復帰
今年6月にはBリーグとして5カ年の中期経営計画も出している。2026年にエクスパンション型リーグに移行する改革は通過点に過ぎないということだ。
「今は目先の結果が出ることが半分、10年後に結果が出ることが半分といった状況にある。その大半は、私の任期中には結果が出ない。しかし、経営が好転したからこそ、未来のことに投資して人の配置ができるようになった。
グローバルにも手を付けており、各チームにアジア枠を設け、韓国・フィリピン・台湾・中国などの選手が1人入れる仕組みをつくる。アジアの人気選手たちが日本に集まれば、彼らの姿をTVで見たいと放映権購入の要望も出てくるはず。今5カ国から13カ国へと増やしており、各国にスタッフも派遣している」
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