サイゼがじわじわ「メニュー数」を減らす本質理由 ファミレス衰退のなか、ファストカジュアルに移行?
東洋経済オンライン / 2024年10月6日 10時0分
実は同社では、2020年にも「伊麺処」(パスタドコ)という店で「ファストカジュアル」業態を掲げていた。本格パスタを身近に手軽に楽しんでもらう目的で、パスタは税込500円から提供。「安さ・手近さ」と「本格さ」を融合させたというわけだ。
オープン当初のインタビューに対し、担当者は「ファミリーレストランの業態は店舗面積が50~60坪(約165~200平方メートル)ないとできない。そこで、その半分程度の広さで出店できる伊麺処を立ち上げた。伊麺処はサイゼリヤが出店できない地域を埋めていく役割を担っている」と述べている(日経クロストレンドによる)。店舗面積の関係で出店できない場所を穴埋めする役割が期待されていたことがうかがえる。ただ、この業態はあまり浸透しなかった。
ちなみにこの聞き慣れない「ファストカジュアル」という単語、同社の公式サイト(沿革のページ)にも登場する。
同社は以前より、新業態開発を続けてきている。始まったのは2005年8月のことで、初のファストフード・ハンバーガー業態の「EatRun(イート・ラン)」を開店。同年の11月には、初のファストカジュアル店でスパゲッティとタコス業態の「スパQ&TacoQ」を開始した。また2007年には、これまたファストカジュアル店である「サイゼリヤEXPRESS」を開店したが、なかなかうまくいかなかったようで、全店を閉店することになった。
このような歴史を考えると、同社にとって、サイゼリヤで「ファストカジュアル」業態を目指すのは、「伊麺処」などが果たせなかった出店戦略の一部を行うことにつながるのかもしれない。その意味でも「ファストカジュアル化」はあらゆる点でサイゼリヤに強みをもたらしている。
全体的に厳しいファミレス業界
「ファストカジュアル化」の利点は、現在のファミレス業界を取り巻く環境にも影響されている。それが、近年のファミレス業界の苦境だ。
日本ソフト販売株式会社が発表している統計データによると、2023年、ファミレスの数は前年比で店舗数が1.8%減少している(前年は3.1%減)。次に掲載するグラフはガスト、サイゼリヤ、ジョイフル、ココスという大手4社の国内出店数のグラフだが、それぞれ、じわじわ減ってきていることがわかるだろう。
筆者はその理由について、ファミレスの「なんでもある」という特徴が消費者にとって魅力に映らなくなっているからでは、と考えている。
この記事に関連するニュース
-
〈サイゼリヤのメニューに異変?〉「値上げして良いからメニューを充実させて」との不満投稿に広報の回答は?
集英社オンライン / 2024年11月25日 17時44分
-
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン / 2024年11月23日 16時15分
-
ガスト「1990円」高級フレンチコース展開 進藤シェフ「この価格では普通出せない」、狙いは?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月20日 13時25分
-
サイゼリヤ「若鶏のディアボラ風」(500円)が“ミシュラン級にうまい”と評価できる理由
日刊SPA! / 2024年11月17日 15時52分
-
北九州地盤「資さんうどん」は関東でどこまで戦えるか メニューは100種類以上 「丸亀製麺」「はなまるうどん」との違いも分析
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月9日 6時15分
ランキング
-
1歯磨きのあとに口をゆすいではいけない…毎日磨いているのにむし歯になる人がやっている「誤解だらけの習慣」
プレジデントオンライン / 2024年11月25日 6時0分
-
2話題の「異世界転移チャレンジ」を検証 手首に“690452”と書いて寝ると行ける?
おたくま経済新聞 / 2024年11月25日 15時0分
-
3「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
ねとらぼ / 2024年11月25日 13時52分
-
4斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月25日 11時3分
-
5充電しながらiPhoneを触ってはいけない? 劣化が早まるリスクも!?【スマホのプロが解説】
オールアバウト / 2024年11月24日 21時25分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください