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「手のひら返し」批判浴びる石破首相の危うい今後 野党、「代表質問」「党首討論」で"変節"追及へ

東洋経済オンライン / 2024年10月7日 9時30分

石破首相が就任会見で、ブランドのロゴがレンズに入っていたため、ネット上で“イシバノメガネ”と話題になった黒枠のメガネを光らせながら行った「石破演説」の冒頭で「全身全霊を捧げ、日本と日本の未来を守り抜いてまいります」と声を張り上げた途端、議場には野党席からの「約束を守れ、約束を!」との大声が響き渡った。続いて石破首相が「政治資金問題などをめぐり、国民の政治不信を招いた事態について、深い反省とともに触れねばなりません」と切り出すと、すかさず「じゃあなんで裏金議員公認するんだ!」との野次も。

石破首相はなおめげずに、総裁選でも掲げてきた「5つの守る」を中心に演説を展開。その中でライフワークの「安全保障」だけでなく、“苦手”とされる「経済」でも「『賃上げと投資が牽引する成長型経済』を実現しつつ、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済・財政を作っていく」「物価上昇を上回る賃金上昇を定着させなければならない」などと訴え、2020年代には、最低賃金を全国平均で1500円とすることを目標に努力を続けると決意を表明した。

ただ、「経済を語る際はほとんど演説書の棒読みに終始したことで自信のなさも浮き彫りになった」(政治ジャーナリスト)ことも否定できない。

「まれに見るスカスカの所信表明」と立憲・野田代表

こうした石破演説について、議場でやじり続けた野党側からは、元首相の野田佳彦立憲民主党代表が「近年まれに見るスカスカの所信表明。総裁選挙の時には極めて具体的に熱っぽく語っていたことが全然入っていない。国民に信を問うとするならば何を問うのか」と酷評。“自民寄り”ともみられてきた玉木雄一郎・国民民主党代表も「何がやりたいのか全くわからない」と厳しく突き放した。

今回の「石破演説」は、およそ9500字で、2012年に自民党が政権を奪還して以降では最も長くなったとされる。草稿を練った官邸筋は、「石破総理がこれまでの政治活動の中で大切にしてきた言葉や思いをできる限り盛り込んだ」と説明。その中で、石破首相が閣僚として手がけた地方創生については、「地方こそ成長の主役で、地方創生2.0として再起動させる」と表明し、政府に「新しい地方経済・生活環境創生本部」を創設し、今後10年間で取り組む基本構想を策定する方針をアピール。

また外交安保では、「現実的な国益を踏まえた外交」を進める立場から「日米同盟の抑止・対処力を強化する」と明言。対中外交については「戦略的互恵関係の推進」を掲げる一方、中国の東・南シナ海への進出には強い懸念を表明し、9月の日本人男児襲撃事件については「断じて看過しがたい」と厳しく非難した。

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