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面倒くさがりでも意志の力いらず「続ける技術」 ダイエット、禁煙、貯蓄―挫折の末にこれを試せ

東洋経済オンライン / 2024年10月9日 11時55分

「成功したらご褒美」は意外と続かない……では、どうする?(写真: Pangaea/PIXTA)

好きなものを食べたいし、やりたいこと、楽しいことをしたいから、健康的な食生活、禁煙、貯蓄といった習慣については、多くの人が「したほうがいい」と思っていても、実際にはできずにいる。もちろん、欲望のおもむくままに行動していたら、困るのは自分。世の中には自分を誘惑するものにあふれており、長年しみついた習慣を変えるのは難しい。

アメリカでベストセラーとなっている『THINK FUTURE「未来」から逆算する生き方』著者で心理学者のハル・ハーシュフィールド氏は、習慣を定着させるために、ほどよい罰則を設けることを提案している。決めたことをやらないと痛みを伴うしくみをつくることで、習慣化を促すのだ。

運動をさぼったら100ドル札を燃やす

作家のニール・イヤールは「バーン・オア・バーン(燃やすか、燃やしてしまうか)」と名づけた戦略を取り入れている。

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彼はクローゼットの内側にカレンダーを張っているそうだ。カレンダーの当日の日付に100ドル紙幣をテープで張りつけておき、クローゼットの上にはライターを置いておく。そして毎日、クローゼットを前に決断する。

「カロリーを燃焼するか、それとも100ドルを燃やしてしまうか」

つまり、運動をさぼった場合、ライターで100ドル札を燃やすという約束を自分に課しているのだ。これはまさしく「損失回避」の作用である。潜在的な損失、つまり100ドル札を燃やす行為を課すことで、特別な感情が生じ、運動へのモチベーションがアップする。汗をかきたくないのはやまやまだが、「お金を失うのもごめん」というわけだ。

イヤールにとって、カロリーを燃焼するための運動は何でもいい。ジムに通ったり、腹筋をしたりするのもいいが、ただ散歩するだけでもかまわない。とにかく動くことなら何でもかまわない。

第三者によるペナルティの効果が高い訳

「100ドル札を燃やす」という作戦は非常に効果があった。それまではほとんど運動していなかったが、この戦略を取り入れてからというもの、体を動かすようになったそうだ。

この「脅し」は、行動を促すには十分な痛みを伴うが、放棄するほどの苦痛でもない。3年経った今も、彼は「燃やすか、燃やしてしまうか」という決断を日々下している。かつては肥満と診断されたものの、現在44歳のイヤールはかつてないほどに引き締まった健康体だ。

「適切な罰を与える」戦略については、研究者も実験を重ねている。この種の「罰金制」のコミットメント・デバイス(自分が誘惑に襲われることを事前に予測して対策を立てることを指す)については、食べ物や運動以外でも成功例が見られる。

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