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米金融関係者が石破政権に"熱望"していること 株高と経済復活のカギを握るのはなんなのか

東洋経済オンライン / 2024年10月9日 9時0分

また、同氏は石破政権の誕生時と、2021年10月の岸田政権誕生時には類似点があると指摘する。

「マーケットへのネガティブな影響が懸念され株価が下落した点が類似している。岸田政権は、木原官房副長官など経済チームの方針転換もあり、『Invest in Kishida』とのメッセージを2022年5月にロンドンで発表し、資産所得倍増、コーポレートガバナンス強化、新型NISA、原発推進、などがマーケットに評価された」と当時を振り返る。

そのうえで、「石破政権でも、今後、経済チームが重要な役割を果たす可能性がある。マーケットの懸念材料にどのような方向性を示すのか機関投資家は注目している」と話す。

株式や為替市場が大きく変動したことに対する対応は、現時点でのキーマン、経済再生担当相の赤澤亮正氏の存在がある。赤澤氏は、石破氏が検討している経済対策について"イシバノミクス"と表現している。

アベノミクスに距離を置いてきた石破氏も、岸田氏や赤澤氏の意見を聞かざるをえないのだろう。石破政権も経済界の声やマーケットの状況を鑑みて、軌道修正を重ねることが予想される。

日本に期待することは?

渡米中の取材では、「いまは、日本株がブームだから」という暗に含みを持たせた声に何度も遭遇した。では、単なるブームに終わらせずに、本腰を入れた長期的な日本市場への資金流入には何が必要か。

アメリカのファンド関係者は、「日本に期待する点は賃上げ」と即答。「人への投資が実現すれば日本企業の成長に期待が持てる」と語る。

日本への投資を考える際には、財源にも焦点が当たるが、ファンド関係は「財源に対する危機感があるのはアメリカのほう。日本の国債の多くは国内で保有しているため、日本の財源に対して懸念材料は少ない」と答えた。

また、日本が次のステージ、つまり、デフレから脱却して前に進むには過去の検証が必須である。これについて、米国野村証券のシニア・リサーチ・エコノミストの雨宮愛知氏はこう語る。

「日本は人口減少というネガティブな部分に焦点が当たるとセンチメントが悪化しやすくデフレからの脱却には不確実性もある。ただし、人手不足を背景に企業の賃金・価格設定行動の変化が見られているのも事実。こうした変化を確実なものとする努力が求められる」。そのため、金融・財政政策には慎重な判断が求められる。

日銀もアベノミクスの総括の時期に入っており、石破政権のもとで過去の政策の効果や副作用の点検が求められる。大規模金融の効果については、株高や円安、雇用者数を約500万人増加させたなどの功績が挙げられる一方で、異次元緩和後に市場金利を低位に押し下げるために日銀が大量の国債を市場から吸収し続けたため、市場で流通する国債が減少し、債券市場の流動性が低下した。

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