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英誌が「世界で最もクール」に選んだ日本唯一の街 "未開発地帯"学芸大学が魅力的な納得理由

東洋経済オンライン / 2024年10月10日 11時55分

近年、賃料等がだいぶ上がってきてはいるというが、近隣にある毎年(!)借地料が上がる街に比べればまだまし。それに規模が小さければ小規模、零細企業、個人でも比較的手が出しやすい。

個性的な店舗が多いと言われるのもそのためだ。家賃が高い都心部では家賃を稼ぐのに必死で店主の個性を出すまでの余裕がないことが多いが、そこまでしゃかりきにならなくて済むなら個性を生かした店、とがった店も作れるというものである。

開発が行われてこなかったことに加え、学芸大学駅周辺は地理的にも恵まれている。駅の北には駒沢通り、南には目黒通りが走っているのだが、交通量の多い幹線道路があると商店街はそこで切れる。

わかりやすいのはお隣の都立大学駅。駅を降りたところから見えるほどの距離に目黒通りが走っており、商店街の主要部分は駅と目黒通りのごく短い距離に立地している。通りを渡ったところにも店はあるものの、幹線道路を渡るというハンディは大きく、商店街は小さくまとまらざるを得ない。

ところが学芸大学の場合は北にも南にも延びる余地があり、しかも地形的に平らで移動にハンディがない。

実際、商店街は駅を挟んで両側に長く延びており、そこに魚屋などの生鮮三品を扱う昔ながらの店、銭湯などに加えて、前述のクリエイティブな店などが交じり合う。

そのバランスのよさも魅力の1つ。スーパーを利用しなくても生活に必要な品がすべて揃う回遊性の高い商店街は今ではそれほど多くはない。

個人事業主やクリエイターに愛される街

また、個人事業主、クリエイターなどの住民が多いのも特徴だ。

学芸大学では2021年から2024年にかけて高架下のリニューアルプロジェクトが行われているのだが、筆者は2023年に事業主の東急に取材をした。

同社では学大に住む多くの人たちの声を聞いており、それによると「すぐに都心に行ける立地にありながら、ほどよく離れてもいる、そうした距離感のせいか、会社員のみならず、個人事業者が集積している。建築家や編集者、デザイナーその他のクリエイター、プロフェッショナルが多いのが特徴。この街が好きという人が多かったのも印象的でした」(東急株式会社プロジェクト開発事業部で目黒・世田谷を担当する植松達哉さん)とのこと。

個性的な店にクリエイティブで地元が好きな人たちが集うと考えると、街で過ごす時間が楽しくないわけはない。小さな店で隣り合えば顔なじみも増えやすいし、趣味性の高い店もこの街なら成り立つという決断がしやすいはずだ。

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