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大量閉店へ「ライトオン」子会社化が意味すること 最盛期516店舗が現在340店舗、これがさらに減る

東洋経済オンライン / 2024年10月11日 19時20分

さきほど挙げたとおり、ワールドが子会社化後に目指すのは、ライトオンの既存の店舗網を生かしつつ、自社のサプライチェーンのノウハウを導入することによる、ブランド価値の上昇だ。また、コスト面でもシナジー効果により、効率的なサプライチェーン・在庫管理体制を構築し、業績回復を狙っている。

もちろん、日本政策投資銀行との協力により、資金面での安定性が確保される点もライトオンの再建に向けた重要な要素となる。

ワールドとの連携で期待したい点

そのうえで、ワールドとの連携で期待したい点を述べる。そして、以降は凡庸な内容だ。しかし、凡庸な内容こそがもっとも重要なのかもしれない。くだらない進言がもっとも真実であるように。

まず、商品開発の迅速化と柔軟性が必要だ。ワールド傘下に入ることで、MD(マーチャンダイジング)ノウハウの活用は、ライトオンの商品開発において大きな強みとなるはずだ。

これにより、ファッション市場のトレンドを迅速に反映し、競合他社に負けない商品を提供できる可能性が高まる。

大事なのは消費者のニーズを満たすことができるか

さらに融合により生まれるプライベートブランドや限定商品などは、価格競争に巻き込まれるのではなく、品質やデザイン、ブランドストーリーといった付加価値を持たせることで、消費者にとっての魅力が高まる。

また、ライトオンは店舗網を生かした新しい顧客体験の提供も可能だ。ワールドとの連携で、デジタルマーケティングや顧客管理システムの強化が進められると、顧客の購買行動データを基にした個別の提案や、パーソナライズされた商品展開が実現する。

これにより、既存の顧客を維持するだけでなく、新たな層の顧客獲得にもつながる。

ライトオンが再建に向けて魅力的な商品開発を行うには、消費者との接点を増やし、彼らのニーズに迅速かつ的確に応える仕組みが不可欠だ。ファッション市場は常に変動しており、トレンドの移り変わりも速い。ワールドグループの支援を受けることで、商品開発のスピードアップやコスト削減のシナジー効果が期待でき、これが業績回復への道筋となるだろう。

ライトオンの社名は、英語で「まったく正しい」「本当に信頼できる」「進歩的な」という意味があるという。その意味で、ワールドとの連携が「まったく正し」かったね、といわれるよう祈念したい。

そうそう、私が若い頃はライトオンに「最新流行の」イメージもあった。スラングでは、Right-onにその意味もあるらしい。

坂口 孝則:未来調達研究所

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