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1日1万歩は意味がない?10歳若返る歩き方のコツ 1万人に効果検証「インターバル速歩」の実力

東洋経済オンライン / 2024年10月12日 8時0分

ほんの少し歩き方を変えるだけで、若返りや不調の改善が期待できるという(写真:8x10/PIXTA)

運動をしたほうがいいと頭ではわかっていても、運動が苦手、あるいは多忙でなかなか本格的なスポーツやジム通いができない人は少なくないだろう。

【図で見る】超簡単! 10歳若返るという「インターバル速歩」のやり方とは?

そんなとき、手軽に始められるのがウォーキングだが、実はほんの少し歩き方を変えるだけで、若返りやさまざまな不調の改善が期待できるという。その名も「インターバル速歩」だ。このウォーキング法を考案した信州大学大学院特任教授の能勢博氏に、効果的な実施のポイントについて聞いた。

体力が最大20%向上、生活習慣病やうつも改善

――インターバル速歩は普通のウォーキングと比べて、どのような健康効果があるのでしょうか。

これは「本人がややきついと感じる早歩き」と「普通のゆっくり歩き」を3分間ずつ交互に繰り返すウォーキング法です。

インターバル速歩を5カ月間実施することで、体力が最大20%改善(10歳以上若返った体力が得られ)、それに比例して、高血圧、高血糖、肥満などの生活習慣病の症状が20%改善、慢性関節痛、不眠、うつ、認知障害などの神経精神症状が30%以上改善します。その結果、医療費が20%抑制されることが明らかになっています。

――どのような経緯で、インターバル速歩が有効であることを突き止めたのですか。

信州大学でスポーツ医学講座を担当していた1998年に、当時の市長から市民の健康増進を目的にウォーキングプロジェクトを実施するので「手伝ってほしい」とお声がけをいただいたことがきっかけです。

まず、中高年の市民100名に約1年間、1日1万歩を目標に歩いていただいたのですが、たとえ1日1万歩ほぼ毎日歩いた方でも、その健康改善効果は期待するほどではないことが判明しました。努力のわりに報われないのです。

その理由について、アメリカスポーツ医学会発行の『運動処方の指針』には、体力を向上するためには運動の時間や量ではなく、その強度が重要であることが記載されていました。運動強度は、運動時の単位時間当たりの酸素消費量で評価しますが、体力を向上させるには、個人の最大体力(最高酸素摂取量)の60%以上の強度で運動することが必要だというわけです。

その指針では、まずは体力測定で個人の最大体力を決定し、その60%以上を目標に運動を1日30分、週3~4日以上続ければ、遅くとも6カ月で体力が10%向上し、生活習慣病も改善されることを“学会の名誉にかけて”保証していました。

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