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わずか19室、瀬戸内の高級宿「ガンツウ」の真骨頂 コロナ禍を経て「高級ホテル」が選ばれる事情

東洋経済オンライン / 2024年10月15日 16時0分

リブランドの目的はさまざまですが、主に考えられるのは次に挙げるものです。

・ 競争力強化:競合ホテルとの差別化を図り、顧客を獲得するため
・ 収益向上:新たな顧客層を取り込み、売り上げを増加させるため
・ ブランドイメージの刷新:古くなったイメージを払拭し新しいイメージを付与するため
・ 経営戦略の変更:ターゲット顧客層や事業内容を変更するため

近年では、コロナ禍の影響で業績が悪化したホテルや、新しい顧客層を取り込みたいホテルなどが、リブランドを実施するケースが増えています。

ホテルリブランドは、多額の費用と時間がかかるため、慎重な検討が必要です。また、顧客にどのように受け入れられるかも重要なポイントとなります。下記は、ホテルリブランドの成功事例です。

OMO5京都祇園 by 星野リゾート

築100年以上の京町家をリノベーションしたデザイナーズホテル。若い世代を中心に人気を集めています。

samana hotel Yakushima

ライブキッチンを新設したビュッフェダイニング「The View Restaurant」が人気。地元の生産者から仕入れた四季折々の食材を用いたメニューを提供しています。

ラグジュアリートラベルとguntû

国内のラグジュアリートラベルとしては、瀬戸内海を周航している「guntû(ガンツウ)」がまず思い浮かびます。ガンツウは、瀬戸内海でとれる小さなイシガニの備後地方の方言です。

お乗りいただくお客様にも地元の人々にも、その小さなカニのように永く愛される存在となるように。そして瀬戸内の伝統、文化、自然を豊かな滋味として味わってもらえるようにという想いを込めて名付けられました。

わずか19室のガンツウでは、船内という限られた空間で宿泊、レストラン、アクティビティ(船外体験)のサービスを提供しています。

クルーは朝から晩まで同じ相手に接客することになるので、ゲストとの距離感がとても近くなります。瞬間的な接客ではなく、旅のお供をしているなかでの接遇サービスですので、付かず離れずといった絶妙な距離感があります。

都会から来るゲストと同じ目線で、この地の風景や文化、食材の特徴などを、それぞれのサービススタッフが伝えています。ガンツウは「船であって旅館」という位置づけの新しいスタイルかもしれません。

通常の宿泊施設同様、客室は重要なコンテンツですが、ガンツウにおいてそこは居住空間でもあります。そのため、客室でどれだけ寛いでもらえるかという点に注力しています。

客室はゲストにとって「わが家」のようなものです。そのため、ゲストの動線や備品をその位置のまま、清潔な状態を保ち、「作り上げる」「整える」「介入しすぎない」という目に見えないサービスを施しています。

まさにこれこそラグジュアリーです。

「お好きなものを、お好きなだけ」というのが、ガンツウの食事の基本スタンスです。海の上にいながら、気の向くままに食事を楽しむ。提供するのは、東京「重よし」佐藤憲三氏の思いを継ぐ料理です。

シンプルで洗練された重よしの料理を基本とし、一期一会の食材が持つ、一瞬の味わい、素朴さ、美しさをていねいに調理し、ゲスト1人ひとりの好みにあわせた献立となっています。

林田 研二:株式会社オータパブリケイションズ執行役員/月刊HOTERES編集長

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