長期投資で成功する人の「黄金法則」とは何か 長期で保有する「売らなくて良い株」の見つけ方
東洋経済オンライン / 2024年10月15日 7時0分
ところが、市場が落ち込むたびに、次の回復期には大きくシェアを上げてくる会社があります。過去20年30年と会社の歴史を振り返りながら業績の推移を見ていくと、逆張りで投資を行い、成果を上げている会社はいつも苦しいタイミングで投資を行っていることがわかります。
売らなくて良い株に投資せよ
投資の中身は、設備投資を積極化する場合もありますし、弱った会社をM&Aで吸収してシェアを上げる会社もあります。いずれにしてもそのような会社は、自分のビジネスにアップダウンがあることをよく理解していて、それを活かしながら成長しているわけです。一方、常にギリギリでビジネスをしている会社は、苦しい局面で投資を抑制したり、場合によってはビジネスの一部を切り売りしたりしています。それではなかなか成長できません。
もちろん、マージンが高く、財務に余裕のある会社は厳しい局面でも投資をしやすいのですが、サイクルを利用して投資するというメンタリティーがないと余裕があっても投資をしない場合もあります。逆に、それほど余裕がなくても、投資できる分くらいの余裕は残していて、しっかり投資を行う会社など、企業の行動はさまざまです。このような視点で企業を見ていくと、長期で付き合える会社が見えてきます。
逆境でしっかり投資ができる会社は、多くの人が悲観しているときほど買い時です。このような会社は、業績の良いときは他社よりもより成長し、厳しいときにはシェアを上げる、つまり売る必要がない会社なのです。株式投資の王道は「売らなくても良い株を買い長期投資する」ことです。市場が落ち込んだときはまさにそのような会社を探す千載一遇のチャンスなのです。
次に投資信託などのファンドです。ファンドはファンドマネジャーの投資行動はもちろん重要ですが、どのような資金特性の顧客がファンドを保有しているかも重要です。苦しいときにでも顧客が解約することなくむしろ資金が追加されるファンドと、損失が出るとすぐに大量の資金流出が起こるファンドがあります。
こういったときは、パフォーマンスにだけ注目するのではなく、ファンドの資金フローに注目することが大切です。自分が長く付き合おうと思っていても、投資している他の顧客に長期投資のメンタリティーがないと、自分も被害を浴びてしまいます。
バフェットのファンドが典型的ですが、相場が下落した局面でもお金が入り続けます。良いファンドというのはファンドマネジャーだけでなく、そこに投資をしている良い顧客に支えられて成立しているものなのです。
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