服の色合わせの悩みを即解決、あると便利な「3色」 ファッションエディター大草直子氏の着回し術
東洋経済オンライン / 2024年10月16日 12時0分
好きな色の判断基準は、「なりたい自分」とイコールなのがわかります。
ちなみに、私が好きなグレーは、冬の砂浜のようなトープカラーと、表情がぐっと締まる(感じがする)コンクリートグレー。そして、カシミヤ、リネン、レースの黒が好きです。
ベーシックカラー=使いやすい色ではない
何にでも合う色は、実は何にも合わない色。
黒はオールマイティーというのは、危険な考え方だなと思います。なぜなら、黒は個性と存在感があるため、ときに、着る人の前に立ちはだかってしまうから。通常よくいうベーシックカラー=使いやすい色、ではないのです。
好きな色を突き詰める、と前述しましたが、ベースとなる色を決めると、気分は安定し、クローゼットは整理され、手持ちのワードローブは円滑にまわり始めます。
その数、3色。スタイリングの土台を盤石にしておくと、待っているのは「自由」です。「気分のままに色を楽しむ自由」。「難しいと思われるアイテムに挑戦する自由」。そして、「忙しい朝、スタイリングが決まらずイライラするストレスからの自由」。
私を例に見ていきましょう。
MYベーシックカラーは、季節によって変わるのですが、春の場合。
1 オートミールのように乾いたベージュ
2 軽めの黒
3 ドライなネイビー(色落ちしていないデニムも含む)
枚数をたくさん持っている、ということではなく、困ったときに帰る色。かつ、形もベーシックが良い。
グレー(黒も含む)、ベージュ、ネイビーの中から、自分にフィットする色を選択できるのが理想です。
トップスでもボトムスでも、色によってはアウターも。トップスだけに頼りがちですが、アイテムにもまんべんなくベーシックカラーを行き渡らせると良いでしょう。
こんな色があれば、例えば、今まで人生には存在していなかったけれど、どうしても着たいと心が動く、その年のトレンドカラーにも手を出せます。肌色やリップの色をコントロールする色なら、ボトムスにもってくれば良いわけだし。または、色は個性的ではないけれど、デザインが強くてひるんでしまうアイテムだって攻略できるのです。
例えば、DRIES VAN NOTENのジャカード素材のパンツ。どんな色がきたって、乾いたベージュのニットなら、自分らしさも担保しながら、新しいおしゃれを楽しめます。朝の余裕が生まれるのは、言わずもがな。
この3色、ものすごく良い仕事をするので、早めに決めるのをオススメします。
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