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ららぽーとで次々増える「試着だけの店」のすごみ お店が嫌う「買うのはネットで」をあえて推奨

東洋経済オンライン / 2024年10月16日 8時30分

この方向転換により、以後予約客が着実に増えていきました。顧客には商品を自分自身で選んで試着する「商品予約」よりも、自分の体形に合った服や色をAIやプロによって客観的に診断してもらう「体験」が好まれたようです。

顧客のニーズを的確に捉えて体験型にシフトしたことで、集客も売り上げも大きく伸びていく結果となりました。

ファッションが苦手な顧客に照準

方向転換の際、ターゲットにしたのは服を選ぶのが好きなファッション上級者というよりも、ファッションに対する苦手意識を持つ顧客でした。

「自分に合う服がわからない」「どんな色や形の服を選べばいいのか」といった服選びの悩みを持つ顧客を対象にして、その人たちの悩みを解決するサービスを提供したことが成功の背景にあります。

好調を受けて2023年12月に海老名、2024年9月に福岡でららぽーとクローゼットをオープン。今後は10店舗出店を予定しており、売り上げ10億円を目指しています。

ショールーミングとは逆に、オンラインで商品をリサーチしてからリアル店舗で購入することをウェブルーミングと言います。

あなたが最近1万円以上の買い物をしたシーンを思い出してみてください。オンラインで口コミやレビュー動画を参照したり、価格を比較したり、リアル店舗で実際に手に取ってみたりと、ひとつの商品を購入するに至るまで数多くの選択肢があったのではないでしょうか?

買い物において、リアル店舗での体験とデジタル世界での便利なオンラインショッピングが、複雑に絡み合う時代が到来しているのです。これにより、リアル店舗の役割は単なる「モノを買う場所」から、「体験を提供する場」に変わりつつあります。

そもそも、なぜ三井不動産がEC?

ところで、リアル店舗の開発を本業とする不動産デベロッパーの三井不動産が、なぜECビジネスに力を入れているのでしょうか。

後編ー三井不動産が「ネット通販」に意外と本気のワケ 「ららぽーと」など商業施設の開発が本業だがーでは、その背景と狙いについて解説します。

(構成:横田ちえ)

田中 道昭:立教大学ビジネススクール教授

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