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韓国トップアイドルが「イジメ吐露」に至ったなぜ 事務所と育ての親の板挟み「NewJeans」の憂鬱

東洋経済オンライン / 2024年10月16日 18時35分

これに対しハニは、「守りたいなら闘わなければなりません。でも、闘う意志もなく、何らかの措置をとる意志もないのに最善を尽くしたとはいえないのではないでしょうか」と反駁した。また、今回の「無視事件」に加えて、会社のトップクラスからも挨拶しても無視されたという話もしていた。

ところで、ハニはベトナム系オーストラリア人で韓国語は現在も勉強中だ。議員の質問の中の「葛藤」という単語がわからず、「すいません、葛藤という意味がわかりません」とはにかむ様子も見られた。

韓国国会の国政監査がエンターテインメント事務所の対立の中で起きたことを監査するのも、直接芸能人が出席するのも初めてのことだった。“前代未聞”といわれるこの事態。そもそもなぜアーティストがこんなカオスの中に置かれるはめになったのか。ここまでに至る経緯をざっくり整理してみたい。

事の本質は、HYBEとADORのミン・ヒジン前代表の対立にある。「BTS」が所属することで知られるHYBEは国内外に11社のレーベルを擁し、5月には資産5兆ウォン(約5500億円)超を保有する大企業集団にも選定された巨大エンターテインメント企業だ。ADORはその傘下のレーベルの1社である。

スマホのメッセージを暴露しあう泥仕合に

発端は4月に遡る。

4月22日、HYBEはADOR の内部監査に入った。このニュースが流れると、業界のみならず韓国社会は騒然となった。HYBEは内部監査に入った理由を、ADOR がHYBEからの独立をはかり、その過程で機密の内部情報も流出させたためとし、ミン代表(当時)の辞任も要求した。

ミン氏は「少女時代」などをプロデュースしたSMエンターテインメントで、「ビジュアルディレクティング」として活躍した後、2019年、HYBEにブランド総括(CBO)として迎え入れられた。自身のアーティストを育てたいとの意向を受け入れて、2021年、HYBEが160億ウォン(約18億円)を出資して設立されたのがレーベルのADORだ。株主構成は、HYBE80%、ミン前代表が約18%となっている。

ミン氏は、HYBEによる内部監査について、同社傘下の他レーベル「BELIFT  LAB」から3月にデビューした5人組のガールズグループ「ILLIT (アイリット)」が「NewJeansをコピーしている」とHYBE へ問題を提起したことに対する報復だと反駁。この後は双方ともにスマホのメッセージを暴露的に公開するなどのっけから泥沼の体となった。

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