1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

AWDの「あの部品」がスバルらしさの要因だった ハイブリッドでも「スバルの味」守られたワケ

東洋経済オンライン / 2024年10月17日 13時0分

そうした中、4輪駆動の乗用車市場を独自に開拓してきたスバルは、今後もプロペラシャフトを持った電動車をグローバルで投入し続けるという。

「水平対向エンジン+シンメトリカルAWD」というスバル車ならではのレイアウトにおいて、プロペラシャフトは“スバルらしさの象徴”ともいえるからだ。

プロペラシャフトがないスバル車も増える

エンジニアと意見交換したが、プロペラシャフトに直接的、または間接的に影響する動的質感を追求するためには、データによる個別部品の適合性や部品の集合体として走行できるカタチとなった段階でも、データに頼るのではなく「人のフィーリングを重視する」開発姿勢を貫いていることがよくわかった。

ただし、これからのスバルは「プロペラシャフトがない」モデルが増えることも、情勢として確実である。

スバル常務執行役員の綿引洋氏によれば、トヨタとの共同開発するBEV(電気自動車)は、2026年末時点で既発の「ソルテラ」を含めて合計4車種になるという。

ソルテラを除く3車について、ひとつはスバルの矢島工場でガソリン車などと混流生産するSUV。これは、トヨタにも供給される。ふたつめは、反対にトヨタのアメリカ工場製SUVが、スバルに供給される形だ。

そして、3車目はスバル自社開発のBEVで、BEV専用ラインで生産するべく準備を進めていると説明された。そうした中で、「プロペラシャフトがないこと」に対するエンジニアの意識変革が、必須となっている。

トヨタ「bZ4X」の姉妹車となるソルテラの開発で、スバルのエンジニアは「スバルらしい走り味・乗り味とは何か」という大きな課題にぶち当たった。

BEVも、低重心である点では、「水平対向+シンメトリカルAWD」と物理現象として近いものがあるかもしれないが、「プロペラシャフトがないこと」が大きな課題だったのだ。

スズキに「これからのジムニー」を聞くと

同じような電動化に対する悩みを、他のメーカー関係者からも最近、聞いた。それは「ジムニー」についてだ。

スズキの次世代技術説明会で、48Vマイルドハイブリッド用の試作エンジンが初公開された。

その際、パワートレインの統括者に「これからのジムニーはどうなるのか」と聞いたとこと、「従来のようなプロベラシャフトを持つFRベース、(48Vマイルド)ハイブリッドを採用するFFベース+後輪モーターとの組み合わせなど、さまざまな可能性をいま、社内で協議している」と、ジムニーファンが聞けばあっと驚くような返答を得た。

スバルはもとより、ジムニーのような本格オフロード車であっても、プロベラシャフトがない設計が問われる時代となったのだ。

クロストレックでは、従来のe-BOXERと次世代ストリングスハイブリッドが併売されることで、プロペラシャフトの活躍の場は広がる。

自動車産業界の大きな変革期において誕生した、スバルの次世代ストロングハイブリッド。カーボンニュートラル燃料の採用などによって、息の長いパワーユニットになることを期待したい。

桃田 健史:ジャーナリスト

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください