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北朝鮮軍「ウクライナ派兵」情報・真偽の見極め方 「可能性高まるが派兵しない可能性も」専門家指摘

東洋経済オンライン / 2024年10月19日 8時0分

2024年6月、平壌で朝ロ首脳会談が行われた際のプーチン大統領(左)と金正恩総書記(写真・Anadolu/Getty Images)

北朝鮮がウクライナに軍隊を派遣しているという指摘が出ている。2024年10月15日、ウクライナの国営ウクルインフォルム通信は「北朝鮮の兵士3000人がすでにロシア軍の複数部隊に所属している」と報道した。10月17日にはウクライナのゼレンスキー大統領が、EU(欧州連合)首脳会議の場でウクライナ諜報機関からの情報として、「ロシア軍は1万人の北朝鮮兵士を動員する準備を進めている」と述べた。

日本の『防衛白書』によれば、北朝鮮の陸上兵力は約110万人で、歩兵中心であり、その3分の2を韓国と対峙するDMZ(非武装地帯)付近に展開している、と説明している。日本の自衛隊員数は約25万人であり、1万人となれば、各国軍では師団級の派遣となる。事実であれば、けっして小さくはない規模の派遣となるが、その真偽はどうなのか。

10月18日には、韓国の情報機関・国家情報院が「北朝鮮が特殊部隊4個旅団、1万2000人の派兵を決定、移動に着手した」と明らかにした。ロシア出身で世界的に著名な北朝鮮専門家である韓国・国民大学のアンドレイ・ランコフ教授は、ウクライナから発信される情報をどう読み解いているか。

すでに北朝鮮軍将校は派遣

――ウクライナ大統領自ら「北朝鮮派兵」について言及し始めました。

正直に言えば、現段階で派兵しているのかそうではないのかは、「よくわからない」と答えるほかありません。しかし、時が進むにつれて派兵する可能性は高まっていると言えます。

朝鮮人民軍の将校らが実際に派遣されてから、すでに数カ月経っています。派遣された基本的な理由は、海外に軍需物資や武器を輸出する際、武器を輸入する側に武器の使用方法を教える必要があります。実際の戦場で使用するとなれば、その武器の長所・短所が何なのかを評価する必要も出てきます。

さらに、ウクライナ戦争は世界で数十年前から見られなかった、2カ国が大規模で行っている本当の戦争です。当然、軍事専門家を送ることができる国はすべてリアル・ウォーを目の当たりにできるチャンスになります。

――兵士も実際に派遣される、あるいはすでに派遣されたのでしょうか。

一般兵士が派遣される、されたことについては疑わざるをえない部分もありますが、可能性はあります。

まず、ロシアの立場からみてみましょう。北朝鮮軍をウクライナ戦争に派遣するということは、とてもよいアイデアです。ロシア国民に戦争を意識させない、すなわち「戦争が行われている」ことを実感させないようにできます。

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