代車と運転手手配「東京海上」運送保険特約の中身 三井住友海上は環境「新種保険の最前線」
東洋経済オンライン / 2024年10月21日 12時0分
生命保険会社、損害保険会社問わず、「社会課題解決」が大きなテーマになっている。「週刊東洋経済」の臨時増刊「生保・損保特集号」は、保険会社の生き残りの条件となった社会課題解決への各社の取り組みをリポート。
その誌面から、注目記事を紹介。ここでは、自動車、火災、傷害、海上以外のいわゆる「新種保険」について最新の動きをリポート。その後編をお届けする。前編はこちら
地球環境保護に寄与する新種保険
業界で初めて、地球環境保護に寄与する新種保険を24年3月から販売開始したのが、三井住友海上。J-クレジット関連企業のバイウィル社と組み、プログラム型プロジェクトの運営・管理者向けに「J-クレジット補償保険」の取り扱いを開始した。
J-クレジット制度とは、省エネ設備の導入や再生エネルギーの活用など企業や自治体が実施するプロジェクトで得られたCO2の温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」(排出権や吸収権)として国が認証する制度。発行されたクレジットはほかの企業に売却可能、購入者はカーボン・オフセット(削減量の相殺)に活用することができる。
J-クレジットは登録・申請に時間がかかるうえに小規模な削減活動では採算がとりづらい。このため複数の削減活動をまとめてプロジェクト化することで創出するケースが増えている。そこで、プロジェクトに参画した企業が自然災害などで罹災し工場や機器・設備などに損害が出た場合、クレジットが減少するリスクを回避する補償保険を開発したのだ。
全国の自治体では50年の「ゼロカーボン」を目指す国策に呼応して、現在、「ゼロカーボンシティ」を宣言するケースが増加している。三井住友海上では今後、小規模の太陽光設備を持つ県内の企業を一くくりにして排出権の組成に取り組む自治体に同商品をセールスしていく意向だ。
同社はまた、中小企業向け火災保険の特約として、震度インデックス型定額払いの火災保険「震災クイックサポート」を22年10月から販売し、好評を得ている。震度6弱以上の大規模地震発生での被災に対して、損害査定や罹災証明書が不要で迅速に当座の資金を振り込む。
激甚性の高い大地震ではライフラインが寸断して、当座の資金不足が深刻になる。そこで同社では通常200日程度かかるところを10日程度で保険金(休業補償)を支払う特約の開発を検討した。
23年5月に発生した能登半島地震(最大震度6強)では、珠洲市にある保険加入先のホテルで宿泊予約のキャンセルがあった。実質休業状態だったが、地震発生7日後に保険金を支払い、売上高の減少を早急に補填することができたという。これまで約1350件の実績があり、支払保険金は平均約100万円である。
保険金に代わりトラックとドライバーを手配
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