アメリカが核の傘で日本を守れない本当の理由 日米関係者はことを荒立てないため黙認している
東洋経済オンライン / 2024年10月22日 15時0分
同じことを逆から言えば、アメリカの核ミサイルは、北朝鮮の核ミサイルの威力と相殺できない、ということである。アメリカは北朝鮮の核ミサイル攻撃を、現実にありうる脅威として本気で心配しなければならない。アメリカは脅されてしまう。アメリカは北朝鮮の交渉力(政治力)を受けるということだ。
相手がテロリスト集団なら、さっさと叩きつぶしてしまえばよい。それができなかったとしてもいろいろ方法がある。北朝鮮は、叩きつぶされないように手を尽くしている。テロリスト集団と違って、国土も正規軍も官僚機構もある。
アメリカがどんなアクションを起こそうと、必ず反撃できる。いざとなれば、北朝鮮の核ミサイルは確実に飛んでくる。ワシントンDCやニューヨークに。
日本が攻撃を受けても、アメリカは核戦力によって、日本を守ることができない。つまり、日米安保条約は機能しないのである。
ポスト日米安保の時代
北朝鮮が核戦力を整えたことによって、日米安保条約が機能しなくなること。日本の安全保障の基本が揺らいでしまうこと。これは著者の意見ではなく、事実だ。事実と理屈を積み重ねていけば、誰がどう考えたとしてもそういう結論になる。人びとはこのことをまず、しっかり頭に入れなければならない。
誰がどう考えたとしても、そういう結論になるのだとしたら、責任ある当事者はとっくに検討を進め、そう結論しているはずだ。アメリカ軍の参謀部や国務省の担当者や政治家も、自衛隊や外務省の幹部も。その割に彼らが静かなのは、うかつなことを言って、ことを荒立てたくないからだ。
橋爪 大三郎:社会学者、大学院大学至善館特命教授
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