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"期待"の女性管理職が次々辞めてしまう「なぜ」 真の女性活躍のために必要な「3つ」の取り組み

東洋経済オンライン / 2024年10月22日 7時20分

「女性管理職の数を増やさなければ」と問題意識を持つ企業が増える中、実際に管理職になった女性の中には苦しい思いを胸に抱く人もいます(写真: Graphs / PIXTA)

最近、ある企業で女性管理職の退職が相次いでいる、と聞いた。退職にまで至らなくても、

【グラフで見る】「女性管理職を増やそう」という声は強くなっているが、その割合の推移を15年前から見ると?

「このまま課長職を続けるなら辞めます」

と訴える女性管理職もいるという。なぜそのような事態に陥ったのか。

今回は女性管理職が直面する問題と、女性管理職の“退職ラッシュ”の裏に潜む驚くべき事実とは何かについて解説する。

政府の掲げる目標と現実のギャップ

女性活躍の推進が求められる中、政府は2020年代の可能な限り早期に、管理職に占める女性の割合が30%程度になることを目指している。

「改正女性活躍推進法」では2022年から従業員が101人以上の企業に、管理職に占める女性労働者の割合を把握・分析し、数値目標をふまえた行動計画を策定するよう求めている。また、男女問わず活躍できるよう、柔軟な働き方や、働きやすい職場環境は整いつつある。

しかし現実はどうだろうか? 8月に公表された帝国データバンクの調査では、女性管理職の割合は平均で10.9%だった。調査開始以来、初の10%台だったが、国際的に見るとその割合は低く、目標達成にはほど遠い状況だ。

さらに、せっかく管理職になった女性たちが相次いで退職する企業もあるというのだから驚きだ。法律が整備され、表面的には女性の活躍が進んでいるように見えるのに、なぜ苦労して管理職にもなった女性たちは辞めてしまうのか?

過剰な期待と過少なサポート

女性管理職が退職してしまう要因は主に3つあると考えられる。

(1)過剰な期待と過少なサポート

(2)ワークライフバランスの破綻

(3)昇進の天井と成長機会の欠如

まず第一に、女性管理職が直面する問題で最も多いのは「期待とサポートのアンバランスさ」だ。

「男性にはない、女性ならではのマネジャーになってくれよ!」

と上司から過剰な期待を寄せられたり、ひどい場合は会社のアピール材料に使われたりする。

「わが社が他社と違うのは、女性社員が生き生きと働いていることだ。大幅に増やした女性管理職の役割がとても大きい」

学生向けの会社説明会で社長がこうアピールすると、人事部部長に抜擢された女性管理職は、

「この場から消えたい」

と心底思ったそうだ。

課長を2年しか経験していないのに部長に大抜擢され、周囲からの嫉妬ややっかみを感じながら過剰に期待されることは想像以上のストレスだった。

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