時計愛好家を「5大ブランド」が魅了し続ける訳 歴史と伝統に技術があわさった奥深き世界
東洋経済オンライン / 2024年10月23日 8時0分
こういった歴史の蓄積は、ジュネーブの名所である「パテック フィリップ・ミュージアム」にも表れる。ここにはジュネーブで制作された歴史的価値のある時計やパテック フィリップの過去の傑作などが収蔵されており、時計とそれをとりまく文化を楽しむことができる場所となっている。
また、こういった希少な収蔵品を展示するエキシビションも定期的に開催。昨年の《ウォッチアート・グランド・エキシビション(東京2023)》は、約6万人が入場した。美しく、複雑で、魅力的な時計を作り、その文化を守り、広く伝える。それこそが、パテック フィリップが最も尊ぶことなのだ。
こういった文化的活動ができるのは、同社がジュネーブ最後の独立した家族経営であることと無縁ではない。1932年に経営を受け継いだスターン家は、それから4代にわたって家族経営を続けており、揺るぎなき信念で、スイス時計のすばらしさを世界にとどけている。
これまでに紹介した3ブランドは、ジュネーブとパリという大都市で生まれた。しかしスイス時計産業の最重要拠点は、実は山間部にある。フランス国境に近いスイス北部エリア「ジュウ溪谷」は、冬の農閑期にジュネーブの時計ブランドのためにパーツの製造を行っていた。
そこから才能ある職人たちが独立したことで、ジュウ渓谷には多くの時計ブランドが生まれた。そのためジュウ渓谷は「ウォッチ・バレー(時計の谷)」とも呼ばれている。
前例に縛られない、攻める名門「オーデマ ピゲ」
そんなジュウ渓谷の小さな街ル・ブラッシュの時計製造の家系に生まれたジュール=ルイ・オーデマとその友人であるエドワール=オーギュスト・ピゲが、1875年に立ち上げたのがオーデマ ピゲだ。
オーデマ ピゲは、1892年に腕時計史上初のミニッツリピーターを発表し、1986年には世界初の自動巻き式トゥールビヨンウォッチを発表。また音響の専門家と協力して、美しい音を豊かに響かせるチャイム機構「スーパーソヌリ」を2016年に発表するなど、独自性の高い複雑機構の開発を進めてきた。
さらには1972年に世界初のラグジュアリースポーツウォッチ「ロイヤル オーク」を生み出し、2019年には立体構造ケースの「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」を発表するなど、攻めのウォッチメイキングを行っている。
歴史ある時計ブランドでありながら、哲学がぶれることなくことなく前進できるのは、現在も創業者一族が経営に携わっているからだ。しかしその一方で、積極的に外部の意見を取り入れ、今年の1月に就任した新CEOは一般消費財企業でキャリアを重ねたイラリア・レスタ。初の女性CEOがこの名門をどう進化させるのか……。そういう観点でも注目されている。
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