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株投資に負けない人が見落とさない「稼ぎ」の本質 お金を生む本業がいったい何なのかを見極めよう

東洋経済オンライン / 2024年10月24日 8時0分

例えば、特急電車に乗って観光地に行くとしましょう。

特に平日は、座席が全然埋まっていないガラガラの特急電車に乗ったことがある方もいるかもしれません。このケースでは、通勤電車がキャッシュカウとなって、ガラガラの特急電車をまかなっている構図になります。

また、本業の鉄道事業以外でもキャッシュカウがあるのかもしれません。

最近は少なくなりましたが、携帯電話の安売りも同じです。端末販売の一時的な売上高でお金を回収するのではなく、その後ずっと続く通信料でお金を回収する仕組みで、このケースでは通信料がキャッシュカウになっています。

プリンターも同じですね。プリンター自体は手軽に買える金額で売られていますが、トナーを頻繁に購入する必要があります。トナーがキャッシュカウになっているのです。

こうしたキャッシュカウが確立されている企業は、安定した収入がありますから株式投資の際にもとても有望な銘柄になります。

「証券化モデル」への応用も

キャッシュカウは、「安定現金収入」のような発想です。これが見つかると、ビジネスで「証券化モデル」と呼ばれるものへの応用も利きます。

例えば、賃貸オフィスや賃貸マンション、物流倉庫は、その家賃が安定的な現金収入になります。他にもホテル、介護施設なども宿泊料や入居料が安定的な現金収入となります。これらのビルやマンション、施設を小口化して投資家に販売し、投資家がそれらによる現金収入を持分に応じて配当として受け取る仕組みを「証券化」といいます。

そしてこのような不動産を証券化したものを「REIT(リート)」と呼び、他にも有料道路も証券化できます。

倫理的にいいか悪いかは別として、製薬会社のビジネスもそのようになっていることがあります。世の中には完治することのない「難病」がいくつも存在します。

私は重度の潰瘍性大腸炎を罹患した経験があります。安倍晋三元首相が第一次内閣を辞するきっかけになったことでも知られている難病です。この病気は、難病指定で完治薬がありません。長年付き合いのある主治医の先生が、こうおっしゃっていました。

「潰瘍性大腸炎の薬は、さまざまな製薬会社がこぞって開発しているんです。なぜかわかりますか? それはこの病気が完治しないからこそ、薬を飲み続けなければならず、将来的にもずっと売れるからです」 病気は完治せず、症状を抑える薬を作り続けていれば、ずっと患者が買うのです。つまりこれもキャッシュカウなのです。

渡部 清二:複眼経済塾 塾長

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