中国発の激安EC「Temu」、急成長持続に不安と期待 運営母体「拼多多」の株価がナスダックで乱高下
東洋経済オンライン / 2024年10月24日 9時20分
「拼多多を取り巻く経営環境は急速に変化しており、(業績変動の幅が大きくなるような)不確実性が増した。わが社が直面する競争は激しくなる一方だ」
陳氏はそう前置きしたうえで、「これまでのような急成長は持続不可能であり、(競争が激化する中で)利益率の低下傾向は避けられない」と述べたのである。
ここで言う経営環境の変化には、Temuに代表される中国発の越境ECサービスに対して、進出先の複数の国々で風当たりが強まっていることが含まれる。外国政府による保護貿易主義の台頭は、Temuの将来を左右する最大級のリスクと言っても過言ではない。
関税の「抜け穴」利用に批判
「中国企業が海外で製品を販売する場合には、直売よりも(地場の流通業者を介在させる)卸売りのほうが相対的に安全だ。なぜなら、直売方式は現地の人々の雇用を奪うことになりかねないからだ」
ある機関投資家は財新記者の取材に対してそう述べ、Temuのような直売方式の越境ECサービスは保護貿易主義の影響を受けやすいと指摘した。
例えばアメリカ議会の議員たちは、個人宛て小口貨物の関税を免除する特例措置をTemuが「抜け穴」として使い、莫大な関税を回避していると批判している。これを受けて、アメリカのバイデン政権は2024年9月、特例措置を見直すと発表した。
こうした逆風が強まる中、Temuは今後も成長を維持できるのだろうか。最近の株価の回復を見る限り、市場は短期的には楽観視しているようだ。
「進出先の雇用や利益に配慮し、保護貿易主義の影響を抑えることができれば、さらなる成長を疑う余地はない」。前出の機関投資家はそう述べ、Temuは今後の成長戦略を慎重に進めると予想した。
(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は10月11日
財新 Biz&Tech
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
中国アリババ、国内外EC事業を単一部門に統合 競争激化に対応
ロイター / 2024年11月22日 12時25分
-
Temuの中国PDD、第3四半期は売上高と利益が予想下回る
ロイター / 2024年11月22日 9時31分
-
日本初の営業益5兆円を達成したトヨタ自動車、最新決算に見る今後 メキシコへ投資拡大もトランプ氏勝利で再燃する関税懸念の行方
Finasee / 2024年11月14日 6時0分
-
日本経済は投機の対象になり果てた…金子勝「日銀が口先介入で利上げを打ち出すたびに円安に向かうワケ」
プレジデントオンライン / 2024年11月8日 16時15分
-
中国の「過剰生産と輸出攻勢」に東南アジアも警戒 インドネシア前大統領が自国産業の保護を明言
東洋経済オンライン / 2024年10月24日 18時0分
ランキング
-
1三菱UFJ銀行の貸金庫から十数億円抜き取り、管理職だった行員を懲戒解雇…60人分の資産から
読売新聞 / 2024年11月22日 21時35分
-
2「築浅のマイホームの床が突然抜け落ちた」間違った断熱で壁内と床下をボロボロに腐らせた驚きの正体
プレジデントオンライン / 2024年11月22日 17時15分
-
3【独自】船井電機前社長『不正を働いたことはない』 “破産の申し立て”は報道で知る「本当に驚いた。なんでこんなことに…」
MBSニュース / 2024年11月22日 18時20分
-
4物価高に対応、能登復興支援=39兆円規模、「103万円」見直しも―石破首相「高付加価値を創出」・経済対策決定
時事通信 / 2024年11月22日 19時47分
-
5相鉄かしわ台駅、地元民は知っている「2つの顔」 東口はホームから300m以上ある通路の先に駅舎
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 6時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください