1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

東京7区では「丸川降ろし」非公認議員たちの悲哀 自民党2000万円支給問題で情勢はさらに悪化

東洋経済オンライン / 2024年10月24日 18時35分

参院議員から東京7区に鞍替えした丸川珠代氏も10月16日、「なんとしても組織の論理に負けない、正しい道を行く者が正しい道を進める政治を、私は改めてここから作り直していきたい、そういう思いで天におられる安倍先生にお誓いを申し上げて、この選挙に臨みました」と涙ぐんだ。

丸川氏は自民党の公認を得たものの、公明党から推薦がもらえず、港区と渋谷区内に存在する1万2000票ほどの「創価票」が入る望みは薄い。さらに日本維新の会の小野泰輔氏が「私、小野泰輔あるいは維新なんて好きじゃないなという方は、立憲民主党にいれてください。そのことによってこの選挙区で、裏金議員に対してしっかりと民意を突きつけることができる」と、捨て身で「裏金議員」である丸川氏を追及。まさに丸川氏は最大のピンチにある。

しかも選挙戦後半に入ってもなお自民党に勢いがつかないことに石破茂首相は危機感を強め、10月21日に「緊急通達」を出して引き締めを図った。そして40ほどの「重点選挙区」を選び、集中的に応援体制を組むことにした。その中に山田氏の東京1区は入っていたが、丸川氏の東京7区は入っていなかった。

藁にもすがりたい彼らが頼みの綱とするのは、人気者の応援だ。9月の総裁選で1回目の投票ではトップとなったものの、決選投票で石破首相に敗れた高市早苗前経済安全保障担当相には、130件もの応援依頼が殺到し、全国を飛び回っている。「なるべくたくさんの仲間を応援したい」と日程をやりくりするが、自分の選挙区入りもままならないほどだ。

安倍元首相の妻、昭恵氏も奔走

2年前の参議院選の最中に凶弾に倒れた安倍晋三元首相の妻の安倍昭恵夫人も、「裏金問題」に喘ぐ旧安倍派の“最後の切り札”のような存在で、16日には2728万円の裏金で自民党から公認されなかった萩生田光一氏の後援会女性部の決起大会に参加。取材陣をシャットアウトした会場では、故・安倍元首相の遺影が置かれ、生前の安倍元首相がピアノを演奏する映像が流されたという。

昭恵夫人はまたその日の夜に、丸川氏の東京7区に入り、「国会議員となり、大臣となり、この国のために活躍されている(丸川氏の)姿。いまも主人はきっとどこかで『頑張れよ』というふうに応援していると思います」と丸川氏を励ました。丸川氏も「こんなに安倍先生がいないことが悲しく思える選挙はありません」と涙をぬぐった。

昭恵夫人は24日には、自民党から公認されなかった下村博文元文科相を応援するため、東京11区を訪れるとされる。1996年以来、同区で勝ち続けてきた下村氏は、下馬評では立憲民主党の候補に猛烈に追い上げられ、政治生命の危機にある。

自民党の凋落はもはや、誰も止めることができないレベルに入っている。思い切って膿を出し切り、これまで党の主流となっていた国民にとって不要なものを切り離さない限りは、自民党の復活はないだろう。

安積 明子:ジャーナリスト

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください