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インフレ時代に値上げを成功させる交渉のコツ デフレ時代とは価格交渉の仕方も変わってくる

東洋経済オンライン / 2024年10月25日 16時0分

(写真:amadank/PIXTA)

価格交渉において、交渉の当事者は売り手と買い手です。一つの交渉をどちらの立場から見るか、どちらの立場で交渉に臨むかが重要になります。言い換えれば、売りの交渉と買いの交渉は表裏一体なのです。この売り手と買い手の両方で使えるのが価格交渉術です。本稿では『なぜかうまくいく交渉術』より一部抜粋のうえ、インフレ時代に押さえておきたい価格交渉のポイントをご紹介します。

相手目線で考えることが大切

インフレの時代には、交渉の仕方も変わります。売り手としては、原材料や人件費等のコストが上昇する中、販売価格を上げないと利益が出ません。

このとき、単に値上げを要求するだけではなく、その理由をしっかり説明する必要があります。コストが上がった理由を明確にし、それが妥当であることを買い手に理解してもらうことが重要です。

一方、買い手としては、仕入価格の上昇分をただ抑えるだけではなく、その価格に見合った価値を引き出すことが求められます。同じ価格でも品質やサービスが向上するようにサプライヤーと交渉することが重要です。

価格交渉では、売り手はできるだけ高く売りたいと考え、買い手はできるだけ安く買いたいと思っています。お互いの立場を理解し、相手が何を求めているのかを考えることが重要です。

例えば、売り手が製品の品質を強調する場合、買い手はその品質が価格に見合っているかを評価します。

一方、買い手が価格の引き下げを求める場合、売り手はその要求に応じることでどのようなメリットが他に得られるかを考えます。発注数量が何倍にもなるなどのメリットがあれば検討の余地が出てくるかもしれません。

交渉において、売り手は買い手のニーズを理解し、買い手は売り手の価値を理解することで、双方にとって有益な合意を見つけることができます。

また、売り手と買い手の立場を理解するためには、相手の立場に立って自分を見つめ直すことも重要です。自分が相手にどう見えるかを考えることで、交渉の戦略をより効果的に立てることができます。

このように、売りと買いの交渉は表裏一体であり、相手目線でどうすれば相手が納得するかを考えることが交渉を成功させるポイントになります。価格交渉を成功させるには、このような視点の転換と相互理解が欠かせません。

やみくもな値上げ要求は禁物

価格交渉には特別な魔法の杖があるわけではありません。重要なのは、特別なテクニックではなく、基本をしっかり押さえて取り組むことです。焦ってやみくもに値上げを要求することは禁物です。余裕を持つことが大切です。

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