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中国自動車市場、1~9月の販売がマイナス成長 前年同期比2.4%減、輸出の好調と明暗分かれる

東洋経済オンライン / 2024年10月25日 17時0分

BYDは自動車買い換え補助金の追い風を受け、9月の販売台数が過去最高を更新した。写真は同社のコンパクトEV「海鴎」(BYDのウェブサイトより)

中国の自動車産業において、国内事業と海外事業の温度差が拡大している。

【写真】ロシアのマラソン大会に協賛した中国の奇瑞汽車の先導車両

中国汽車工業協会が10月12日に発表したデータによれば、中国メーカー(訳注:外資系の合弁会社を含む)が2024年1月から9月までに国内市場で販売した自動車は累計1725万9000台と前年同期比2.4%減少した。それに対し、同じ期間に海外市場で販売した自動車は431万2000台と同27.3%増加し、国内市場と明暗が分かれた。

国内市場では複数の要因が需要の重しになっている。例えば、中国景気の全体的な減速や、自動車メーカー間の価格競争の激化が(さらなる値下げを期待する)消費者の様子見を促したことなどだ。

補助金で買い換え促進

そんな中、中国政府は景気対策の一環として、自動車の買い換えに補助金を支給する制度を2024年4月末に導入した。消費者が定められた条件の下で保有する旧型車を廃棄し、新車に買い換えた場合、低燃費のエンジン車への買い換えなら7000元(約15万円)、EV(電気自動車)またはPHV(プラグインハイブリッド車)への買い換えなら1万元(約21万円)を支給するというものだ。

さらに3カ月後の7月末には、政策効果の拡大を狙って補助金の支給額がエンジン車は1万5000元(約32万円)、EVとPHVは2万元(約42万円)にそれぞれ引き上げられた。

こうした対策が下支えになり、国内市場の自動車販売台数は8月と9月の2カ月連続で前月より増加した。とはいえ、前年同月との比較ではまだマイナスを脱していない。中国汽車工業協会のデータによれば、9月の国内販売台数は227万台にとどまり、前年同月を6%下回った。

自動車の買い換え補助金では、エンジン車よりもEV・PHVのほうが優遇されている。そのため、消費者はより高い補助金を求めてEV・PHVへの買い換えを選ぶ傾向が強まっている。

中国汽車工業協会のデータによれば、1月から9月までに国内市場で販売されたEV・PHVは累計739万2000台に達し、前年同期比35.6%増加。自動車販売の業界団体である全国乗用車市場信息聯席会によれば、一部の地域では(エンジン車を含む)乗用車の総販売台数に占めるEV・PHVの比率が6割を超えたという。

数あるEV・PHVの中でも、売れ行きの好調が目立つのは比亜迪(BYD)のコンパクトEV「海鴎(シーガル)」に代表されるエントリークラスの低価格車だ。BYDの9月の国内販売台数は41万9426台に上り、月間の販売記録を更新した。

輸出の主力はエンジン車

国内市場とは対照的に、中国メーカーの海外事業は依然としてエンジン車が主力だ。中国汽車工業協会のデータによれば、1月から9月までのエンジン車の輸出台数は338万4000台と前年同期比32%増加。輸出先の上位3カ国はロシア、メキシコ、アラブ首長国連邦となっている。

一方、同じ期間のEV・PHVの輸出台数は92万8000台、前年同期比の伸び率は12.5%にとどまった。これはヨーロッパ市場などでEVの需要が縮小に転じた影響が大きい。

EVとPHVを分けて見ると、1月から9月までのEVの輸出台数は73万1000台と前年同期比3.8%減少した。これに対し、PHVの輸出台数は19万8000台と絶対数ではEVの3割未満だが、前年同期比では約3倍に急増した。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は10月12日

財新 Biz&Tech

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