福岡「熱血過ぎる校長」が変えた異色高校の中身 少子化の中でも「入学者数」は増え続けている
東洋経済オンライン / 2024年10月25日 10時30分
少子化の今、生徒数が伸び続けている福岡の私立柳川高校。
「絶校長先生」を自称すること古賀賢校長は、学校存続の危機から学校組織、教員、生徒をどう変えていったのでしょうか。その方法や経験を3回にわたって紹介します。
(本稿は『学校を楽しくすれば日本が変わる 「常識」をひっくり返した「絶校長」の教育改革』から一部を抜粋・再構成したものです)
通信制という選択肢の意味
現在、柳川高校には「普通科」「商業科」「国際科」「情報科」の4つの科があり、「普通科特進コース」「普通科進学コース」「商業科総合ビジネスコース」「国際科I.C.C.コース」「情報科マイクロソフトコース」の5つのコースがあります。
ここに、新たに通信制課程「シリウス」が加わりました。
通信で学ぶと言うと、いまだに不登校の子どもたち、朝晩が逆転して学校に行けない怠け癖がついた子どもたちが中心という、ネガティブなイメージが残っています。でも、私はもう10年近く前からいずれ全日制と通信制の間で、学び方の逆転が起きると考えていました。
N高等学校が先駆者として成果を出していますが、時間や場所の制約がなくなる通信制という選択肢は子どもたちにとってより自由な、より充実した学びの機会となります。
多くの大人はコロナ禍を通じて、オンラインで仕事をすることの可能性を実感しました。在宅勤務、リモートワークに多くのメリットがあることを理解したはずです。通信制での勉強は自分のペースで取り組める自由度が高いので、学習意欲が高い人、勉強が得意な子により適した仕組みだと思います。
1限目から6限目まで学校が決めた授業を教室に行って受ける時間がもったいない。
この先、自分がやっていきたいことがはっきりしているから、その準備に多くの時間を使いたい。
すでにビジネスの世界で成果を出しつつあるから、通信制で高卒の資格だけ取りたい。
そんなふうに目的意識のはっきりしている子どもたちも魅力に感じてくれる通信制課程と、新たなプロジェクトをつくっていきます。
学内で起業経験を
さらなる次の一手として準備を進めているのが、起業家育成のためのスタートアッププロジェクトです。
すでに柳川高校では大正製薬の協力のもと、リポビタンDのオリジナルラベルデザインのコンペを開き、実際に商品を学内や地域のコンビニなどで発売するといったビジネスを学ぶ試みを行なっています。
こうした実践をさらに広げ、学内での起業、地域での起業を経験しながら、将来的に起業家として活躍できるような学びの場をつくっていきます。
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