「気温差不調」でつらい人にお勧め"漢方的対処法" 「去年より調子が悪い」と感じる人が実は多い
東洋経済オンライン / 2024年10月25日 9時0分
10月になって、異例の暑さが続いたかと思うと、急に寒くなる。そんな「ジグザグ天気」に翻弄されていませんか?
1日の寒暖差に加え、前日との差も大きいこのジグザグ天気は、体にとって大きな負担になっています。この時期は例年、寒暖差不調が起こりやすいのですが、今年は特に深刻な症状に悩む方からの相談が、筆者の鍼灸院にも多く寄せられています。
そこで今回は、寒暖差による体調不良について、原因やセルフケアをご紹介します。
今年の寒暖差不調の特徴
私たちの体は体温を一定に保つようにできていて、これを恒常性(ホメオスタシス)といいます。体温を一定に保つという働きは体にとって大仕事なので、気圧や温度の大きな変化は、人体にとって大きなストレスとなります。
特に、今年は異常な夏の暑さのせいで体力が消耗している人が多く、その結果、体温調整能力が下がって、例年より寒暖差不調が深刻になっているといえるでしょう。
この体温調節の機能をつかさどっているのが、自律神経です。漢方の考え方では、自律神経の調整は「気」が行っています。
気は生命エネルギーのようなもので、体の表面をバリアのように覆っています。ところが、何らかの理由で気の巡りが悪くなると、そのほころびから体に悪影響を及ぼす「邪気」が入ってきて、さまざまな不調が生じるとされています。気温差や気圧の変化も邪気の1つということができます。
見方を変えると、同じ環境下でも寒暖差にやられる人と、元気でいられる人がいるのは、この「気」の働きの違い、もっというと自律神経の働きに差があるということなのです。
寒暖差で出やすい不調とは?
今の時期、筆者のもとに相談があった寒暖差不調で多いのは、以下のとおりになります。これらを見ても、自律神経にかかわる症状が多いことがわかります。
めまい、頭痛、肩こり、腰痛、膀胱炎、倦怠感、胃痛、食欲不振、便秘、下痢、不眠、冷え、むくみ、のぼせ、顔のほてり、気分の落ち込み、イライラ……
特に最近、目立つのは膀胱炎を訴える方の多さです。
膀胱炎とは尿道からばい菌が入り込んで炎症を起こす病気をいいますが、なかには、原因となるばい菌がいない(見つからない)にもかかわらず、排尿時の不快感や頻尿、残尿感、軽い排尿痛、尿が出にくいといった症状が出る人がいます。
この場合、漢方的に考えられるのは「陰虚(いんきょ)」です。
陰虚とは漢方の考え方の1つで、体内に水をため込む力が弱くなり、脱水を起こしやすい状態を指します。例えるなら、雨が降らず乾燥した日が続くと森などで山火事が起こりやすくなっているようなもの。これと同じように、体が陰虚の状態になると炎症が起こりやすくなるのです。
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