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「敗者復活」にも人気殺到"令和の就活"に異変 「お祈りメール」の学生救済スカウトも登場

東洋経済オンライン / 2024年10月26日 8時0分

面接にかかる業務負荷を削減できるだけでなく、「チームワーク型」「個性型」など人材のタイプも把握できるため、入社後の配属や面談に生かすことも可能だ。

実際に導入企業からは「口下手だけどじっくり話を聞けばきちんとした考えを持ち、自分の言葉で話すことができる候補者をしっかりと見極められた」「同僚との相性、どんな上司のもとだと大きく成長するのかなど、その人が最も力を発揮できるような配属について(SHaiNから納品された)面接評価レポートの活用を考えていきたい」という声が上がっている。

不採用の学生を応援

「お祈りメール」。選考で不合格となった学生に対して企業が「今後のご活躍をお祈りします」の一文で締めくくるメールを送ることを新卒採用の世界ではこう呼ぶ。

ここに目を付けたのが2020年創業の岡山大学発のベンチャー、ABABA(アババ)だ。

社名の由来とサービス内容は、創業者である久保駿貴CEOが構想した。久保CEOの友人が広告代理店の電通の最終面接で不合格になった際、「あばば……!」といった感情を表現する絵文字入りのLINEが届き、うつ状態になってしまったのがきっかけとなった。

「ほかの企業も欲しがる優秀な人材に違いないのに、求人が少ない時期になっていた。最終面接に至るまでの過程を評価し、不採用のお祈りメールを応援のエールに変える仕組みを作りたいと思った」(久保CEO)

ABABAは最終面接落ちの学生と、企業を結びつけるプラットフォーム。企業は登録済みの学生のデータベースからめぼしい人材をスカウトする。最終面接まで進んだという他企業のお墨付きがあるため、選考フローの一部がカットされるなど優遇が受けられる。

学生の登録は無料。「就活生の1割近くにあたる年間4万人ほどが登録する」(久保CEO)。導入企業にかかるのは初期費用10万円と採用成果報酬65万円だ。鹿島建設、NTTドコモ、サイバーエージェントなど各業界の大手企業も多く、1850社(2025年9月末時点)が導入している。

内定式後に就活再開も

中には、内定式を経て「何か違う」と就活を再開する学生もいるという。企業側に対しても「『どういった企業の最終までいった人が欲しいですか』『内定を出したときに逃げられる先の企業はどこですか』と聞き、『だったらこういう検索をしてアプローチをしましょう』と提案する」(久保CEO)と、よりよいマッチングを求める学生、企業双方にサービスが刺さっているようだ。

リクルートの就職みらい研究所によれば、この10月の内定式に臨んだ学生から「自分の就職先選択が本当に合っていたのか、また気持ちが揺らいできた」「配属が不安」という声も聞かれたという。ファーストキャリアを重視する学生の心をつかむため、採用手法の進化と多様化はいっそう進んでいきそうだ。

常盤 有未:東洋経済 記者

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